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電磁気学入門(14)トランスの漏れインダクタンス低減方法DC-DCコンバーター活用講座(57)(1/2 ページ)

電磁気学入門講座。今回は、トランスの漏れインダクタンスおよび、巻き線静電容量の低減について解説します。

» 2024年09月27日 10時00分 公開

トランスの漏れインダクタンス低減方法

 下図は、異なった巻き線パターンが漏れインダクタンスに与える影響を示しています。分割巻き線は有効巻き線幅が、従来の巻き線パターンの倍です(一次側と二次側の縦が互いに並列)。一次側と二次側の両方が分割された交互配置巻き線は、3倍長い有効巻き線幅をもちます。

<strong>図1:異なった巻き線パターンがトランスの漏れインダクタンスに与える影響</strong>[クリックで拡大] 図1:異なった巻き線パターンがトランスの漏れインダクタンスに与える影響[クリックで拡大]

 一次側漏れインダクタンス(単位:H)Lleakage,priは、一次側巻き線数Npri、巻き長さの平均MLT(Mean Length Turn)、ビルド高の合計(B1、B2...+絶縁厚T)、巻き線幅と逆比例するWに依存します。分割または交互配置巻き線は有効巻き線幅を増加させ、漏れインダクタンスを低減します。

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 分割または交互配置巻き線の不利点は、一次側/二次側絶縁の厚さ(T)が2倍または3倍になることです。安全規制に適合するために、巻き線間の最小沿面距離/空間距離が要求されます。これらの絶縁はどの巻き線間でも確保されなければなりません。

 小型トランスでは、絶縁バリアの厚みの追加が全体にビルド高を増加させ、再び漏れインダクタンスを増加させるという問題が発生する可能性があります。この問題の解決策は、小型で背が高いコアの代わりに、幅広で平たんなトランスコアを使い、巻き線を分割せず従来の巻き方にすることです。

<strong>図2:幅広で平たんな巻き線の使用により漏れインダクタンスを低減</strong>[クリックで拡大] 図2:幅広で平たんな巻き線の使用により漏れインダクタンスを低減[クリックで拡大]

 両方の巻き線例は同じ巻き線数ですが、左側の形状では漏れインダクタンスは半分です(しかし結合静電容量は倍)

 安全のための最小沿面距離要求がもたらす他の影響として、巻き線の縁部分の絶縁があります。最小沿面距離を増やすと、巻き線間にテープの重なりが生じるだけではなく、末端に一般に「マージン」や「棚」テープと呼ばれる過剰な絶縁部ができます。

<strong>図3:絶縁テープの「包帯」巻き</strong>[クリックで拡大] 図3:絶縁テープの「包帯」巻き[クリックで拡大]
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