ロームは、1kW級の出力が可能な赤外レーザーダイオード「RLD8BQAB3」を開発した。発光面に採用したクリアガラスのガラスキャップにより光散乱を抑えるため、高品質なビームを得られる。
ロームは2024年9月、LiDAR向けに1kW級(125W×8チャンネル)の出力が可能な赤外レーザーダイオード「RLD8BQAB3」を発表した。同年8月よりサンプル出荷を開始している。2024年度中には、車載電子部品規格「AEC-Q102」に準拠した車載グレードも用意する予定だ。
同製品は、高放熱基板に設置したサブマウント上に、1素子で8個の発光エリアを有する赤外レーザーダイオードを設けている。発光エリアの各発光幅は300μmだ。
同社従来品と同様に、発光幅における発光強度は均一で、波長の温度依存性が0.1nm/℃と低いため、アレイ化によるチャンネル間の発光強度低下領域を狭められる。また、太陽などの外乱光ノイズの影響をバンドパスフィルターで抑制していて、LiDARの遠方検知や精細度の向上に寄与する。
パッケージは、3.3×5.6×1.75mmの面実装タイプだ。パッケージの発光面には、クリアガラスを使用したガラスキャップを採用した。樹脂封止品と異なり、ダイシング時の傷による光散乱が生じず、高品質なビームを得られるという。
また、カソードコモンで各発光エリアを配線しており、発光ポイント数を増やせる個別発光や、1kW級の高出力同時発光など、用途に応じた照射方法を選択できる。
製造は、前工程をローム本社が、後工程を製造子会社のローム・ワコーがそれぞれ担当する。両工程とも車載品質マネジメント規格「IATF 16949」に準拠している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.