小型/高放熱TOLLパッケージの650V耐圧GaN HEMT:ローム GNP2070TD-Z
ロームは、TOLLパッケージの650V耐圧GaN HEMT「GNP2070TD-Z」の量産を開始した。産業機器や車載機器の中でも、大電力対応が求められるアプリケーションに適している。
ロームは2025年1月、TOLL(TO-LeadLess)パッケージの650V耐圧GaN HEMT「GNP2070TD-Z」の量産を開始した。2024年12月から量産およびインターネット販売を始めていて、サンプル価格は1個3000円(税別)だ。
TOLL-8Nパッケージの650V耐圧GaN HEMT「GNP2070TD-Z」 出所:ローム
TOLLパッケージは小型/高放熱でありながら電流容量やスイッチング特性に優れていて、産業機器や車載機器の中でも大電力対応が求められるアプリケーションに適する。
GNP2070TD-Zは、TOLLパッケージに第2世代のGaN on Siチップを搭載。オン抵抗と入力容量の相関を示すデバイス性能指標において「業界トップクラス」(ローム)の数値を達成した。高耐圧かつ高速スイッチングが求められる電源システムの小型化と省エネ化に貢献する。
主な仕様は、ドレイン・ソース間電圧が650V(max.)、ドレイン電流が27A、ドレイン・ソース間オン抵抗が70mΩ(typ.)、ゲート総電荷量が5.2nC(typ.)、出力容量が50nC(typ.)、逆回復電荷量が0pF(typ.)だ。パッケージは、11.68×9.90×2.40mmサイズのTOLL-8Nを採用している。
GNP2070TD-Zの量産は、前工程をTSMCが、後工程をATX Semiconductor(ATX)が担当。ロームとATXは車載向けGaNデバイスの生産において協業を予定している。
ガリウム発見からGaNパワーIC商用化まで、GaN半導体の略史
パワーエレクトロニクス市場での存在感を高めているGaNデバイスだが、少し前まで、極めて不完全な結晶だからという理由で、半導体としては使い物にならないと見なされていた。科学者とエンジニアたちはどのようにしてその壁を乗り越えたのか。本稿ではGaNテクノロジーの起源を紹介する。
5G基地局向けGaN電力増幅器モジュール
三菱電機は、5G(第5世代移動通信) massive MIMO基地局向けのGaN(窒化ガリウム)電力増幅器モジュール「MGFS48G38MB」のサンプル提供を開始した。400MHz帯域で43%以上の電力付加効率を達成していて、基地局の低消費電力化に寄与する。
650V耐圧、産業機器向けエンハンスメント型GaN HEMT
STマイクロエレクトロニクスは、エンハンスメント型GaN(窒化ガリウム) HEMT「G-HEMT」として、「SGT120R65AL」および「SGT65R65AL」の量産を開始した。650V耐圧で産業機器向けとなっている。
低損失特性、高短絡耐量の車載向け1200V IGBT
ロームは、車載向けの1200V 第4世代IGBTを開発した。外周を含めたデバイス構造を改善し、25℃での短絡耐量が10マイクロ秒となったほか、スイッチング損失や導通損失が低減している。
出力1kW級の赤外レーザーダイオード
ロームは、1kW級の出力が可能な赤外レーザーダイオード「RLD8BQAB3」を開発した。発光面に採用したクリアガラスのガラスキャップにより光散乱を抑えるため、高品質なビームを得られる。
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