これらのIPを統合設計にうまく集積するには、IPブロックのトランジスタの大部分を占める内部ロジックの他にも、2つの要素が重要にある。1つは、ポート定義やデータ幅、動作周波数、サポートするインタフェースプロトコルなどの接続情報で、もう1つは、CSR(Configuration and Status Registers)セットだ。CSRセットは、システムを確実に正しく動作させるために、SoCメモリマップ全体に適切に配置する必要がある。
これは複雑であるため、手作業で集約を行うことはもはや不可能だ。「IP-XACT」は、IPを記述およびパッケージングするためのXMLベースのフォーマットを定義したIEEE標準規格(IEEE 1685)である。自動集約を容易にするために、各IPには関連するIP-XACTモデルが用意されている。
SoCの複雑さが増加し続ける中で、既存のモノリシックダイ設計を複数のチップレットに分解する手法が一般的になりつつある。このチップレットベースの設計をサポートするには、ツールでSoC設計を複数のチップレットに分解できる必要がある。各チップレットには多くのオリジナルソフトIPが含まれている可能性がある。ロジックの分割に加えて、ツールは、接続性やレジスタを含む各チップレットのIP-XACT表現を生成しなければならない。
AIとHPCのワークロードは急速に進歩しており、それによってチップレットベースのアーキテクチャへの根本的な移行が進んでいる。これらの設計は、スケーラビリティと効率的なデータ移動に対する高まる要求を満たすための実用的なソリューションを提供する。マルチダイシステムの設計、組み立て、統合を管理するための新しい方法論とサポート技術が必要になるだろう。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EDN Japan】
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まだマイコンがなかった、50年前の回路設計の記憶Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.