反転コンバーターを例に取り上げてMode I動作とMode II動作の境界になる電流値Io1の計算の流れを表3に示します。格別に難しいことを計算しているわけではありませんので図を参照しながら説明をしていきます。
昇圧型コンバーターでは表3の計算式を表4に従って置き換えます。これらの置き換えを実施すると最終的に反転型と同じ6式が得られます。
今回はダイオードの選定について説明するとともにチョーク電流連続でも平滑キャパシターへのエネルギー供給期間が短くなるMode IIについて説明しました。
次回は今回の続きとして電流不連続モードについてまとめていきたいと思います。
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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