トレックスは2026年8月6日、車載向けの36V耐圧DC-DCコンバーター「XD9704/9705」シリーズの開発を発表した。開発中のDFN1820-6J品は、一般的な同等性能のLDOからの置き換えで実装面積を約2分の1にできるほか、発熱も37℃と約3分の1に改善できるという。
トレックス・セミコンダクター(以下、トレックス)は2026年8月6日、車載向けの36V耐圧DC-DCコンバーター「XD9704/9705」シリーズの開発を発表した。入力電圧は最大36V、出力電流は最大600mAに対応し、主な用途としてカメラやセンサー、ドライブレコーダー、ETC、電子制御ユニット(ECU)などの車載機器を想定する。すでに量産も開始していて、サンプル価格は308円(税込)だ。
自己消費電流は11μAで発振周波数は2.2MHz、動作温度範囲は−40〜+125℃で、車載規格AEC-Q100のGrade1に準拠する。ラインアップのうち、XD9704は常にリップル電圧が低く安定動作が可能なF-PWM固定制御を、XD9705は軽負荷から重負荷まで常に高効率で駆動するPWM/PFM自動切換制御を採用する。電源シーケンスの作成を容易にするソフトスタート外調、Power Good機能も備える。
パッケージはSOT-89-5(4.5×4.6×1.6mm)を採用していて、DFN1820-6J(1.8×2.0×0.6mm)品も開発中。トレックス担当者は「DFN1820-6J品は、AEC-Q100準拠の36V降圧DC-DCコンバーターとして世界最小級だ。2026年度内の完成をめどに開発を進めている」とする。またDFN1820-6J品は、端子側面に浅い溝を設けることではんだが側面にも濡れ上がり、外観検査で接合を確認できるウェッタブルフランク構造を採用する。
自動車の高機能化に伴い、カメラやセンサーモジュールといった車載機器でも小型化の要求が増えている。従来こういった車載機器の降圧には中高耐圧LDOレギュレーターが使われてきたが、サイズの大きさや消費電流増加に伴う発熱量の増加が課題となっていた。
新製品のXD9704/9705は、12Vから5V/1mAへの変換で90%の高効率を実現。「開発中のDFN1820-6J品を使えば、5.8×8.4mmという世界最小クラスの実装面積を実現できる。一般的な同等性能のLDOからの置き換えで実装面積を約2分の1にできるほか、発熱も37℃と約3分の1に改善できる」(トレックス担当者)
中高耐圧DC-DCコンバーターではNchドライバーFETを採用するケースが多い。同特性の場合、PchドライバーFETよりも小型化できることが主な理由だが、反面、エンジンスタート時の入力電圧低下によって出力電圧も低下し、入力電圧が出力電圧設定値を下回ってシステムダウンを引き起こす可能性がある。
そこでトレックスは、入力電圧が出力電圧設定値を下回った場合もスルーして出力可能なPchドライバーFETを採用。エンジン始動時の安定した出力電圧供給を実現した。「トレックスは小型低消費のノウハウを強みとする。NchドライバーFETならもっと小さく作ることも可能だが、PchドライバーFETで十分な特性とサイズを両立しつつ、安定した出力電圧供給も実現した」(トレックス担当者)
トレックスでは近年、車載部品の新製品開発が停滞していたが、本製品を皮切りに再び展開を進めるという。DFN1820-6J品に加え、コイル一体型の製品も開発中だとしていた。
DC-DCコンバーターの突入電流と負荷の制限
DC-DCコンバーターの熱パラメーター理解
DC-DCコンバーターの効率と2種類のPWM制御モード
「消費電流ゼロ」ロードスイッチIC IoTなど向けにトレックスが開発
36V/2Aで負電圧出力も可能 「汎用性の高い」DC-DCコンバーターCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング
コーナーリンク