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USBドングル型のSTB評価ボード、接続するだけでテレビがネット連携可能にルネサス IPネットワーク対応STB

ルネサス エレクトロニクスの「IPネットワーク対応STB」の評価ボードは、USBドングル型の形状で、外形寸法は6.5×2.1×1.1cmまで小型化されている。テレビのMHL端子もしくはHDMI端子に接続するだけで、インターネット動画の視聴機能をはじめとするネットワーク連携機能を実現できる。

» 2012年01月13日 11時30分 公開
[EDN Japan]

 ルネサス エレクトロニクスは2012年1月、IP(Internet Protocol)ネットワークを経由したコンテンツ視聴機能をデジタルテレビなどのディスプレイ機器に付加する「IPネットワーク対応STB(セットトップボックス)」の評価ボードを発表した。ARMのアプリケーションプロセッサコア「Cortex-A9」を2個搭載するSoC(System on Chip)や無線LAN機能などを組み込むとともに、外形寸法を6.5×2.1×1.1cmに抑えた。形状はUSBドングル型で、同ボードをディスプレイ機器のMHL(Mobile High-definition Link)端子もしくはHDMI端子に接続すれば、インターネット動画の視聴やコンテンツ配信サービスの利用、家庭内の映像配信といったネットワーク連携機能を簡単に追加できる。


 ルネサスは、アイティアクセス、アドバンスト・コミュニケーションズ、グルーバ、三信電気、日本システムウエア、リコーなどのSTBメーカーや、MHLを開発したSilicon Imageと連携して、IPネットワーク対応STBの製品化と事業拡大を推進する方針。なお、今回発表した評価ボードは、これらのパートナー企業向けに提供するもので、一般向けには販売しない。このため価格も非公開となっている。

 同ボードはルネサスが新たに開発したSoCを採用している。同SoCは、デュアルコア構成のCortex-A9に加えて、H.264、MPEG4、VC-1といったフルHD(高品位)映像(1920×1080画素、30フレーム/秒、プログレッシブ)をデコードできるAVエンジン、GUIなどに利用できる2D/3Dグラフィックスエンジン、コンテンツ保護機能やセキュリティ機能などを集積している。これにより、同社の既存のSTB評価ボードと比べて、約88%の小型化と1.7倍の高性能化、25%の低消費電力化を実現できたという。

 この他、容量が1GバイトのDDR2 SDRAM(動作周波数533MHz)と、8GバイトのeMMC(Embedded Multimediacard)、IEEE 802.11b/g/nに対応する無線LAN機能を搭載。電源供給に利用できるUSB mini Bインタフェースと、JTAGデバッグインタフェースを備える。

 ディスプレイ機器との接続を、MHL端子もしくはHDMI端子で行う品種をそれぞれ用意した。電源供給機能を持つMHL端子に対応する品種は、評価ボードを直接接続するだけでIPネットワーク対応STBの機能をテレビに追加できる。一方、HDMI端子に対応する品種の場合は、USB mini Bインタフェースから別途電源を供給する必要がある。

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