日本ナショナルインスツルメンツが発売したシングルボードRIOシリーズの新機種は、小型であるという特徴を継承しつつ、アナログ入出力インタフェースを搭載した。医療やエネルギーなどさまざまな分野の組み込みモニタリング/制御システムに使える。
日本ナショナルインスツルメンツは2012年5月、最終製品にそのまま組み込める小型・低コストのコントローラ「NI シングルボードRIO」の新機種「NI sbRIO-9623」、「NI sbRIO-9626」、「NI sbRIO-9633」、「NI sbRIO-9636」を発売した。
シングルボードRIOは、プロセッサとFPGA、マルチチャネルの入出力インタフェースで構成したボード型の計測/制御用コントローラである。グラフィカル開発ツール「LabVIEW」で記述したプログラムコードをそのまま実装できることを特徴とする。同社は、2009年に第1世代の機種を発売して以降、2011年8月には第1世代を大幅に小型化し、量産用途に最適化した機種を発表していた(関連記事)。
今回発表した機種は、小型であるという特徴を継承しつつ、デジタルの入出力インタフェースに加えて、アナログの入出力インタフェースを新たに追加した。具体的には発売した4製品のうち、sbRIO-9623とsbRIO-9633には、分解能が12ビット/16チャネルのアナログ入力、分解能が12ビット/4チャネルのアナログ出力を用意した。残るsbRIO-9626とsbRIO-9636のアナログ入力は分解能16ビット/16チャネル、アナログ出力が分解能16ビット/4チャネルである。「アナログの入出力インタフェースを搭載したことで、例えば各種センサーのアナログ信号をそのままボードに取り込んで処理できるようになった。当社のシングルボードRIOを採用することで、システム全体をゼロから設計する労力が軽減でき、アプリケーションのカスタム部分に焦点を絞って、開発を進めることができる」(同社)。
搭載した不揮発メモリは最大512Mバイト、RAMは256Mバイト。RS232シリアルポートやRS485ポート、イーサネット、CAN、USB、SDHDカードスロットといった多様なインタフェースを用意した。価格は、提供数量に応じて異なるとして公表していない。
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