インバータ用フォトカプラ「PS9905」は、14.5mmの長沿面距離と7500Vrmsの絶縁耐圧を実現している。これまでは、ルネサスの従来品を2個用いて安全規格IEC61800に対応していたが、PS9905を使用すれば、1個で済むようになる。
ルネサス エレクトロニクスは2012年5月、産業機器向けの690V電源のインバータや、1000Vの太陽光発電システムのインバータを構成するIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)駆動用に、フォトカプラ「PS9905」を発表した。14.5mmの長沿面距離を実現したことを特徴とする。長沿面距離とは、フォトカプラを接続する高電圧側のパッケージ端子から低電圧側のパッケージ端子までの距離を、パッケージ樹脂に沿って測定した最短距離を指す。
安全規格であるIEC61800に準拠するためには、690V電源の強化絶縁部分には13.8mm以上、1000Vの太陽光発電システムの基礎絶縁部分には10mm以上の長沿面距離が要求される。ルネサスは、長沿面距離が8mmのフォトカプラを販売しており、これまでは8mm品を2個並べて対応していた。PS9905を用いれば、1個だけでIEC61800に対応することができるようになる。また、PS9905は表面実装の8端子パッケージを採用しているので、実装面積を同社従来品比で約30%削減できるという。絶縁耐圧は、7500Vrmsを実現している。
PS9905は既に量産を開始しており、サンプル価格は300円となっている。
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