富士通セミコンダクターの「Interface Bridge SoC」は、USBやSerial ATA、トランスポートストリームなど合計10種類のインタフェース回路をまとめた、ARMコア搭載LSIである。モバイル機器用Wi-Fiテレビチューナや家庭用録画機などに向けて最適化した。
富士通セミコンダクターは2012年10月、モバイル機器用Wi-Fiテレビチューナや家庭用録画機といったデジタル映像信号を扱う機器に向けて、CPUコアとさまざまなインタフェース回路を1個のチップにまとめたブリッジLSI「Interface Bridge SoC」を発表した。USB 2.0/USB 3.0やSerial ATA、PCI Express、Ethernet MAC、トランスポートストリーム(Transport Stream:TS)など、合計10種類のインタフェースを搭載する。CPUコアにはARMのデュアルコアプロセッサ「Cortex-A9」を採用した。2012 年12月下旬にサンプル出荷を開始する。
同社によると、市販のモバイル機器用Wi-Fiテレビチューナには、Wi-Fiモジュールの他、ビデオ信号のフォーマットや解像度の変換を担ういわゆるトランスコーダLSIが搭載されているが、その制御を担う最適なチップが市場に供給されていないのが実情だった。「レコーダー用のマルチデコーダLSIやネットワーク製品用の通信プロセッサでは性能が過剰であり、マイコンなどの廉価なCPUでは性能が不足するという問題があった」(同社)。一方で、録画機や録画機能付きテレビなどを手掛ける機器メーカーからは、「外部接続用に搭載する各種インタフェースを制御する機能を備えたCPUが必要だ」という声が上がっていたという。そこで同社は、こうした市場の要求に応えるべく今回のブリッジLSIを開発したとする。
今回発表したInterface Bridge SoCの型番は「MB86E631」。10種類のインタフェースの内訳は、上述の6種類の他、汎用インタフェースがUARTとI2Cの2種類、メモリインタフェースがDDR3とクワッドシリアルフラッシュ対応コントローラの2種類である。内蔵するCortex-A9コアの動作周波数は最大500MHz。16mm角の426端子FBGAに封止した。同社は、このブリッジLSIと自社製のトランスコーダLSIを実装したリファレンスボードを提供する他、Wi-Fiテレビチューナ向けにDLNA対応のLinux用リファレンスソフトウェアも用意しているという。
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