イメージング/ビデオDSP IPコア「IVP」は、イメージ処理に特化した複合命令セットにより、汎用のCPUと比べてピーク性能で10〜20倍の演算処理性能が得られる。携帯電話機やタブレット端末、車載機器などの画像処理用途に向ける。
Tensilica(テンシリカ)は2013年2月、新しいイメージング/ビデオDSP IPコア「IVP」を発表した。このDSP IPコアはイメージ処理に特化した複合命令セットにより、汎用のCPUと比べてピーク性能で10〜20倍の演算処理性能が得られると言う。携帯電話機やタブレット端末、デジタルテレビ受像機、車載機器、ビデオゲーム機器などの画像処理用途に向ける。
Tensilicaは、CPUとDSPの機能を融合しつつ、データプレーン処理に最適化されたプロセッサユニット(DPU:Dataplane Processor Units)を供給している。今回発表したIVPをこのDPUに組み込むことで、手ぶれ補正や高解像度のイメージングやビデオの処理、顔やジェスチャの認識など、複雑な信号処理を高速に実行することが可能となる。
IVPはイメージングおよびビデオのピクセル処理を考慮した固有の命令セットを備えている。この命令セットにはベクトル命令が300命令以上含まれている。これらの命令を活用することで、単一命令発行型の汎用的なCPUに比べて、16ビットピクセルの処理では命令スループットが16倍以上も高速になるという。
IVPは消費電力も小さい。28nmのHPM(High Performance for Mobile)製造プロセスを使ってIVPを実装した場合、顔認識やジェスチャ認識などの処理で用いられる32ビットのインテグラルイメージの計算には、わずか10.8mWしか電力消費しないという。
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