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電池駆動する中国のMLFFサービス対応ETC向けRFIC東芝 TC32168FTG

東芝は、中国のETC(電子料金収受システム)端末向けのRFIC「TC32168FTG」を開発し、11月から量産を行う。2013年内にも中国で開始されるMLFF(Multi-Lane Free Flow)サービスや電池駆動に対応する機能、性能を備える。

» 2013年06月06日 10時30分 公開
[EDN Japan]

 東芝は2013年6月5日、中国のETC(Electronic Toll Collection System:電子料金収受システム)端末向けにRFIC「TC32168FTG」を製品化し、11月から量産を行うと発表した。中国のETC端末は、日本と異なり電源を電池から得るため、低消費電力化を図った。

 中国では渋滞緩和のため、従来のETCと比べ、より高速で料金徴収ゲートなどを通過できるMLFF(Multi-Lane Free Flow)サービスが2013年中にも開始される予定となっている。東芝では、これまで日本のETC市場向けに製品を供給してきた実績をベースにして、市場拡大が見込まれる中国市場の要求に合わせたETC用RFICの開発に至った。

中国のETC端末向けRFIC「TC32168FTG」

 MLFFサービスでは、従来よりもゲートを高速で通過するため、RFICは待機状態から短い時間で受信可能状態になることが求められる。新製品は、回路の工夫などにより、信号を感知してから約500μ秒で受信可能になる高速起動を実現した。中国ETC規格「GBT20851」で定められているダウンリンクの2チャンネル(5830MHz、5840MHz)を同時に待ち受けする機能も搭載。信号レベルの大きい方を選択して受信できる。

 電池で駆動する中国のETC端末に合わせて、低消費電力動作を実現する機能、技術を盛り込んだ。例えば、ETC端末の消費電流を削減するため、ETCゲートに車両が接近した時だけ、マイコンを起動させる「Wake up機能」をRFICに内蔵した。電源電圧範囲も、1.8〜3.6Vと電池駆動を前提にした低電圧駆動になっている。

 パッケージは5mm角サイズの32ピンQFNパッケージを採用。最大送信出力+3dBm、受信感度−45dBm。特性保証範囲は−40℃から+85℃となっている。

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