ロームの「BM65364S-VA/-VC」は、小容量モータをインバータ駆動させるためのMOSインテリジェントパワーモジュール(MOS-IPM)である。IGBT-IPMに比べて、電力損失を大幅に削減した。
ロームは2015年4月、小容量モータをインバータ駆動させるためのMOSインテリジェントパワーモジュール(MOS-IPM)「BM65364S-VA/-VC」のサンプル出荷を始めた。エアコンなどの家電製品や産業機器といった用途に向ける。
BM65364S-VA/-VCは、オン抵抗が小さく、大電流化を可能とした自社製のMOS FET「PrestoMOS」と、独自のゲートドライブ回路をワンパッケージに集積している。定格電流は15A、耐圧は600Vである。特に、高電圧時の高速スイッチングで課題となるMOS FETの誤動作を防止する回路を搭載したことによって、高速スイッチング動作が可能となり、スイッチング損失の低減を図った。
IGBTを用いた既存のIPMに比べると、低電流領域での電力損失を約43%削減することが可能となる。この特長は、エアコンなどが定常運転を行う際に、大きな省エネ効果が得られるという。パッケージは放熱性に優れており、各種保護機能なども搭載しているため、回路基板設計の負荷を低減することが可能となる。量産出荷は2015年8月より始める予定である。
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