ロームは2014年10月、台湾のJorjin Technologiesと無線通信規格「Wi-SUN」に対応したUSBドングルタイプの無線通信モジュール「WSR35A1-00」を共同で開発したと発表した。
ロームは2014年10月2日、台湾の組み込みモジュールメーカーJorjin Technologies(以下、Jorjin)と無線通信規格「Wi-SUN」に対応したUSBドングルタイプの無線通信モジュール「WSR35A1-00」を共同で開発したと発表した。既に2014年9月からサンプル出荷を開始し、「需要に応じて、順次、量産対応を行う予定」(ローム)としている。
Wi-SUNは、国内のサブギガヘルツ帯の1つである920MHz帯などで使用される無線通信規格で、HEMS(家庭内エネルギー管理システム)やBEMS(ビル内エネルギー管理システム)の無線通信として普及が期待されている。国内では、東京電力がスマートメーターとHEMSコントローラの間を結ぶ通信(通称:Bルート)にWi-SUNを採用することを決定し、他の電力会社でもBルートの通信手段にWi-SUNを用いることが有力視されている。
ロームでは、「既存のHEMSコントローラの多くはWi-SUN非対応のため、スマートメータとの接続が困難だった」とし、USBポートに挿入することでWi-SUN対応を実現するUSBドングルタイプのWi-SUNモジュールをJorjinと共同で開発した。ロームはこれまでも、アンテナ内蔵で電波法認証取得済み、ファームウェア搭載済みなど、導入しやすい無線モジュールを手掛けてきたが、「さらに導入を容易にするべく、通信モジュールの製造販売において高い実績を誇るJorjinと共同開発を進めた」という。
開発したUSBドングルモジュールは、32ビットの高性能マイコンを採用し、HEMS用途に最適なWi-SUN対応ファームウェア(TTC JJ-300.10のA方式準拠)を搭載した。なお、両社では、ZigBee IP対応のファームウェア(同B方式準拠)も準備しているという。
アンテナも内蔵されている他、日本国内の920MHz帯の電波法認証も取得済みで、高周波設計や面倒な手続きなしに導入できる。UARTインタフェースも備え、「汎用性が高く非常に使いやすいドングルとなっている」(ローム)。
受信感度は、−103dBm(100Kビット/秒、BER0.1%未満)となっている。
なお、ロームでは2014年10月7〜11日に千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2014」に出展し、WSR35A1-00の展示を行うとしている。
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