セイコーインスツルは、チップ形電気二重層キャパシタ「CPX」シリーズの新サイズを開発した。内部抵抗を大幅に低減したため大電流放電が可能で、微弱なエナジーハーベスト素子の起電力でも充電できるという。
セイコーインスツルは2015年7月、業界最小クラスの内部インピーダンスとリーク電流を10nAにした高容量チップ形電気二重層キャパシタ「CPX10080C104F」と「CPZ10080C104F」および、急速充電対応チップ形電気二重層キャパシタ「CPX10080C402F」を発表した。
CPX10080C104F/CPZ10080C104Fは、それぞれ内部抵抗を0.5Ω/1.5Ωに低減したことで、数百mA(数百mW)の高出力放電が可能となった。リーク電流を10nA程度にしたため、数μWの微弱なエナジーハーベスト素子の起電力でも、十分充電できる。さらに、低容量仕様(静電容量4mF)のCPX10080C402Fは、1〜3秒と短時間の充電で電圧が上昇する。
同シリーズは、省スペース薄形(10.0×8.0×1.9mm)チップタイプでリフロー実装が可能。また、完全密閉のセラミックパッケージにより、高温高湿度下での劣化が小さく、長寿命のため、メンテナンスフリーの用途に対応できる。
具体的な用途は、各種記憶素子の瞬間停電対策、機械的衝撃による瞬間的な電池の端子離れ対策(瞬断・瞬停対策)、電源バックアップやエナジーハーベストを用いた発電エネルギーの蓄電素子、無線センサーネットワーク、RFIDタグ、非接触/多機能ICカード、デジタル家電のRFリモコンなどの電源・蓄電素子としての利用で、2015年8月からサンプル出荷を開始する予定だ。サンプル価格は500円。
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