図1のサーミスタを用い、25〜85℃の検出回路を作成します。
R25=10K、
R55=3.489K、
R85=1.452K、
印加電圧ESは1VDCです。
これらの値からRsを求めます。
このRsの値を図3に代入し、25〜85℃の温度特性を解析した結果を図4に示します。
得られた曲線は小さいうねりがありますが、図4の特性の直線近似は、
Eo=7.379×10-3Ta+5.499×10-3
なので、同じ検出電圧で比較した場合の温度の最大誤差は+0.78〜−0.85℃程度です。
NTCサーミスタの説明については今回で終了し、次回は正の温度特性を持つPTCサーミスタについて説明します。
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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