キャリア近傍ノイズ−115dBc/HzのOCXO:日本電波工業 NH40M40LA
日本電波工業は、測定器向けに公称周波数10MHzのOCXO(恒温槽付水晶発振器)「NH40M40LA」を発表した。位相雑音は、キャリア近傍ノイズが1Hz時に−115dBc/Hz、フロアノイズが100kHz時に−170dBc/Hzと低く抑えた。
日本電波工業は2017年11月、測定器向けに、公称周波数10MHzのOCXO(恒温槽付水晶発振器)「NH40M40LA」を発表した。位相雑音は、キャリア近傍ノイズが−115dBc/Hz(1Hz時)、フロアノイズが−170dBc/Hz(100kHz時)。低雑音の電子機器の設計や、測定器の性能向上に寄与する。
恒温槽付水晶発振器「NH40M40LA」
同社独自の水晶技術と発振回路技術を組み合わせ、キャリア近傍ノイズからフロアノイズまでの広範囲にわたり位相雑音を極限まで抑えた。特にキャリア近傍ノイズは、40×40mmサイズの水晶発振器では世界一の低ノイズ特性になるという(同社調べ)。
位相雑音特性データ(条件:公称周波数10MHz、電源電圧12V、温度25℃)
出力は正弦波に対応し、電源電圧は12V。動作温度範囲は−10〜70℃で、周波数温度特性は最大±10×10−9、長期周波数安定度は1年で最大±100×10−9となる。
現在、サンプルを出荷中で、2018年2月から量産開始を予定している。
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