制御ボックスに3つのモータードライバーを実装した写真を図5に示す。中央がハイブリッドICを交換したドライバーだ。他の2台はサブ電源の小型の電解コンデンサーを交換しただけで正常に動作した。
修理前には3つのモータードライバーともサブ電源の電圧のふらつきがオシロスコープで確認された。サブ電源の電解コンデンサーを交換したら電圧の波形が安定した。これで正常に動作できるだろう。修理した装置を客先へ返却し現場で動作確認してもらったら、正常に動作したと連絡があった。
今回の修理では初めて海外のサイトから部品を購入して修理を試みた。海外のサイトなので部品の品質や配送と納期の点で不安があった。部品の入手にも少し時間は掛かったが問題なく正常な部品が入手できた。海外サイトからの部品調達も大丈夫そうだ。この経験で入手可能な部品がワールドワイドに広がり、修理できる機器の範囲も広がった気がする。これもインターネットのおかげだ。
今回の修理のサプライズは、繰り返すが放熱板にDC300Vもの電圧がかかっていたことだ。これでは基板の製造後の検査、調整や修理をする時に感電する危険性が高い。危険な電圧が掛かっている放熱板があったことで、修理の仕事の危険性も改めて思い知らされた。
危険な電位が基板上にあるのはやむを得ないが、触れやすい部品や放熱板は絶縁すべきで無用なトラブルもなくすことができる。読者が設計したもしくは使っている電源は放熱板に触れても感電しませんか? 放熱板に高い電圧がかかっている基板は非常に危ないので、注意して確認してほしい。
もう1つは修理作業手順の反省だ。電源を切っても一次電源のコンデンサーには高電圧が長時間残っている可能性があるので、修理作業を開始する前に一次電源のコンデンサーの電圧を確認し、しっかり放電させることが重要だ。これをやっておけば放熱板の落とし穴にはまることはないだろう。
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