これまで、アナログ/デジタルコンバーター(以下、ADC)のノイズ特性を、その特長や原因から測定方法や規定方法まで、詳しく説明しました。今回は、これまでに得られた理論的な理解を現実の設計例に当てはめていきます。最終的に「自分の設計に本当に必要なノイズ特性は何か?」という問いの答えに必要な知識を読者に身に付けてもらい、次のアプリケーションでは自信を持ってADCを選択できるようになることが目標です。
本連載の第1回と第2回では、アナログ/デジタルコンバーター(以下、ADC)のノイズ特性を、その特長や原因から測定方法や規定方法まで、詳しく説明しました。今回の第3回では、第1回と第2回で得られた理論的な理解を現実の設計例に当てはめていきます。最終的に「自分の設計に本当に必要なノイズ特性は何か?」という問いの答えに必要な知識を読者に身に付けてもらい、次のアプリケーションでは自信を持ってADCを選択できるようになることが目標です。
まず初めの例では、アプリケーションのシステム仕様を定義し、この仕様を目標となるノイズ特性パラメーターに変換し、この情報を使って候補となるADCを比較します。図1に示すような4線式抵抗性ブリッジを使用する重量計アプリケーションを一例として分析しましょう。
パラメーター | システム仕様 |
---|---|
ブリッジ感度 | 2mV/V |
励起/基準電圧 | 2.5V |
出力データレート | 5SPS |
最大適用重量 | 1kg |
最小適用重量 | 50mg |
システム仕様について、感度が2mV/Vで励起電圧が2.5Vのブリッジを想定し、5サンプル/秒(SPS)でサンプリングするとします。これにより5mVの最大出力電圧を供給し、これは最大適用重量1kgに相当します。また、最小適用重量50mgを分解できるように想定します。表1は、パラメーターの概要です。
システム仕様が設定できたので、これを活用して、ADCを選択できるように一般のノイズパラメーターに変換しましょう。
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