突入電流制御対応のデジタルPFCコントローラー:STマイクロ STNRGPF02
STマイクロエレクトロニクスは、デジタルPFCコントローラー「STNRGPF02」を発表した。機械的な突入電流制御機能を搭載し、産業用モーター、家電製品、UPSなど、600W〜6kWのアプリケーションに対応する。
STマイクロエレクトロニクスは2020年6月、デジタルPFC(力率改善)コントローラー「STNRGPF02」を発表した。機械的な突入電流制御機能を搭載し、600W〜6kWのアプリケーションに対応する。既に量産中で、TSSOP38パッケージで提供する。1000個購入時の単価は約2.67米ドル。
デジタルPFCコントローラー「STNRGPF02」
STNRGPF02は、デュアルチャンネルのインタリーブ型ブーストPFCコントローラー。平均電流モード制御を使用し、固定周波数の連続導通モード(CCM)で動作する。内部電流ループはハードウェアアナログ比例積分(PI)補償器で制御し、外部電圧ループはデジタルPIコントローラーで制御するため、高速応答が可能だ。
また、電圧および電流ループをカスケード制御し、総インダクター電流の平均値から出力電圧を調整できる。外部リレーまたはトライアックを使用することで、機械的に突入電流を制御できる。
プログラム可能なフェーズシェディング、負荷のフィードフォワード、バーストモードに対応し、電力効率の向上に寄与する。保護機能として、熱保護や過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP)、ソフトスタート制御などを搭載し、PFCの状態を示すインジケーターも備える。
同社のオンライン設計ツール「eDesignSuite」を使うことで、設定や回路設計、外付け部品の選択が容易になる。評価ボード「STEVAL-IPFC02V1」も提供しており、力率が高く、高調波歪率が低い電源開発を支援する。
主な用途として、産業用モーター、エアコン、家電製品、セルラー通信基地局、通信インフラ、データセンター、無停電電源(UPS)などを見込む。
- 複数の電圧レギュレータを集積した電源制御用IC
STマイクロエレクトロニクスは、車載グレードに対応した電源制御用ICの新シリーズを発表した。シリーズ最初の製品「L5963」は、単一の小型パッケージに3個の電圧レギュレータを搭載している。
- デジタルキー向けNFCリーダーライターIC
STマイクロエレクトロニクスは、自動車用デジタルキー向けのNFCリーダーライターIC「ST25R3920」を発表した。キーの解施錠などの応答速度、ノイズ源の干渉に対する耐性が向上したほか通信距離も延長し、スマートフォンとの通信を最適な状態に保つ。
- 高効率、低消費電力の同期整流コントローラー
STマイクロエレクトロニクスは、フライバックコンバーター向け2次側同期整流コントローラー「SRK1000A」「SRK1000B」を発表した。高効率、低消費電力のため、充電器、アダプター、USB Power Deliveryコネクター用途に適している。
- ESD保護対応の車載用コモンモードフィルター
STマイクロエレクトロニクスは、ESD保護デバイスを搭載した車載グレードのコモンモードフィルター「ECMF04-4HSM10Y」「ECMF04-4HSWM10Y」を発表した。高速通信のインタフェースICをコモンモードノイズから保護する
- グローバルシャッター搭載の小型イメージセンサー
STマイクロエレクトロニクスは、グローバルシャッター搭載の小型イメージセンサー「VD55G0」「VD56G3」を発表した。同社は、「先進的なプロセス技術によって、最小クラスのピクセルで高い感度と低いクロストークを実現した」としている。
- 7種の低消費電力モードを搭載したマイコン
STマイクロは、同社の32ビットマイコン「STM32L4+」シリーズに「STM32L4P5」「STM32L4Q5」を追加した。Arm Cortex-M4、最小512Kバイトのフラッシュメモリ、320KバイトのSRAMを搭載している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.