メモリ機能を強化したIoT向け低電力MCU:ルネサス RA4M3グループ
ルネサス エレクトロニクスは、同社の32ビットArmマイコン「RA」ファミリーを拡充し、メモリ機能を強化した「RA4M3」グループの量産を開始した。産業機器やHVAC機器、メーターなど幅広いIoT機器の開発を支援する。
ルネサス エレクトロニクスは2020年12月、同社の32ビットArmマイコン「RA」ファミリーを拡充し、メモリ機能を強化した「RA4M3」グループの量産を開始した。産業機器や空調設備、メーターなど幅広いIoT(モノのインターネット)機器の開発を支援する。
メモリ機能を強化した「RA4M3」グループ
RA4M3グループは、Arm v8-Mアーキテクチャの「Cortex-M33」コアを採用し、最大動作周波数は100MHz。最大1Mバイトのフラッシュメモリ、最大128KバイトのRAM、8Kバイトのデータフラッシュ、1KバイトのスタンバイSRAMを搭載する。フラッシュメモリのバックグラウンド動作とブートスワップ機能に対応し、内蔵RAMにはパリティ(誤り検出)およびECC(誤り訂正)機能を備える。
フラッシュメモリからCoreMarkを実行するアクティブモードでの動作電流は119μA/MHz、スタンバイモードでは1.6mA。ウェイクアップ時間は30マイクロ秒で、間欠動作による長期運用が可能だ。
Arm TrustZoneテクノロジーとルネサスの暗号エンジン「Secure Crypto Engine」を組み合わせ、複数の対称および非対称暗号アクセラレーター、高度な鍵の管理、セキュリティライフサイクル管理、改ざん検知、高いサイドチャンネル攻撃耐性などのセキュリティ機能を提供する。
また、静電容量式タッチセンシング機能、Quad SPIなど各種インタフェースも搭載。外形寸法10mm角の64ピンLQFP、同14mm角の100ピンLQFP、同20mm角の144ピンLQFPパッケージで提供する。
- タッチセンシング機能搭載の32ビットマイコン
ルネサス エレクトロニクスは、IoT機器のHMI用途向けに、タッチセンシング機能を搭載した32ビットマイクロコントローラー「RA2L1」グループを発表、20製品を発売した。Arm Cortex-M23コアや静電容量式の高性能タッチセンシングユニットを内蔵している。
- 車載ネットワークCAN FD対応8ビットMCU
マイクロチップ・テクノロジーは、車載ネットワークCAN FD対応8ビットMCU「PIC18 Q84」ファミリーを発表した。コアから独立した周辺モジュールを備え、CAN FDネットワークに接続する時間とコストの削減に貢献する。
- 確定性の高い次世代車載アーキテクチャ向けMCU
STマイクロエレクトロニクスはボッシュと共同で、次世代の車載アーキテクチャに向けたMCU「Stellar」を開発した。複数のアプリケーションや仮想ECUが共存可能で、自動車の安全性と利便性の向上に貢献する。
- アナログシステム向けのMCUファミリー
マイクロチップ・テクノロジーは、アナログシステム向けMCU「PIC18-Q41」「AVR DB」ファミリーを発表した。構成可能なアナログおよびデジタル周辺モジュールを内蔵している。
- エッジAI向け、NN専用アクセラレータ搭載MCU
Maxim Integrated Productsは、ニューラルネットワーク専用のアクセラレーターを搭載したマイクロコントローラー「MAX78000」を発表した。エッジ側でのAI推論処理を低電力、少ない待ち時間で実行できる。
- 動作周波数550MHzの32ビットマイコン
STマイクロエレクトロニクスは、32ビットマイコン「STM32H7」シリーズに、動作周波数550MHzの製品を追加した。Arm Cortex-M7を搭載し、最大1Mバイトのフラッシュメモリを内蔵している。
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