車載および軍用温度グレード準拠のFPGA:マイクロチップ PolarFire FPGA
マイクロチップ・テクノロジーは、車載用電子部品の信頼性規格「AEC-Q100」および軍用温度グレードの認定を取得した「PolarFire FPGA」の出荷を開始した。ファンなしで動作するため、システムの熱設計が容易になる。
マイクロチップ・テクノロジーは2021年3月、車載用電子部品の信頼性規格「AEC-Q100」および軍用温度グレードの認定を取得した「PolarFire FPGA」の出荷を開始したと発表した。
同製品は、100〜500k LE(ロジック エレメント)および12.7Gトランシーバーを搭載しており、競合製品と比較して消費電力を最大50%低減できる。
ファンなしでの動作や、場合によってはヒートシンクなしでの動作が可能。システムの熱設計が容易になることから、設計を小型化かつ軽量化できる。また、安全な通信や暗号化ビットストリーム、暗号化したサプライチェーンを可能とするセキュリティ機能も備える。
PolarFire FPGAの用途として、同社では、ブラインドスポットモニターや車線変更警告システム、バックカメラといった車載向け、先端戦略兵器システムなどを見込んでいる。
車載および軍用温度グレード準拠の「PolarFire FPGA」
なお、同社製のFPGAやSoCを用いた設計用の開発ツール「Libero」も、AEC-Q100および軍用温度グレードのFPGAに対応済みとなっている。
- 車載制御およびセキュリティ向けFPGA
ラティスセミコンダクターは、車載制御アプリケーション向けFPGA「MachXO3LF」およびシステムセキュリティ向けFPGA「MachXO3D」を発表した。両製品ともに、車載用途に向けて−40〜+125℃の拡張動作温度範囲に対応している。
- RISC-V SoC FPGA向け開発キット
Microchip Technologyは、RISC-Vを採用した同社のSoC FPGA「PolarFire」向けの「Icicle開発キット」を発表した。リアルタイムOSやデバッガ、セキュリティソリューションなどのRISC-Vエコシステム製品ネットワークを評価できる。
- 20nmプロセスの航空宇宙分野向けFPGA
ザイリンクスは、20nmプロセスを用いた航空宇宙分野向けのFPGA「Kintex UltraScale XQRKU060(以下、XQRKU060)」を発表した。衛星および宇宙アプリケーション向けに設計されており、放射能耐性に優れ、高スループットで広帯域幅の通信を可能とする。
- CXLをサポートする、10nmプロセスのFPGA
インテルは、同社の10nmプロセス技術をベースにしたFPGAファミリー「Agilex」の出荷を開始した。既存のFPGA「Stratix 10」に比べ、性能を最大40%向上、消費電力を最大40%削減できる。
- 開発プラットフォームに130nmシリーズを追加
東芝デバイス&ストレージは、開発プラットフォーム「FFSA」のラインアップに「130nm」シリーズを追加した。高性能、低消費電力で開発効率の高いFFSAに130nmシリーズが加わったことにより、応用範囲がさらに拡大した。
- 小型化するFPGAがモバイルシステムにもたらす利点
これまでになくインテリジェントとなっている現在のモバイルシステム。新機能が増えることで、システムの電力が大幅に消費される可能性がある。この問題に対処するため、CPUやGPUの代わりにFPGAで細分化された処理を実行することで、システムの機能を最適化する開発者が増加している。
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