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直流電子負荷とは ―― 概要と用途、動作モードについて直流電子負荷の基礎知識(1)(2/5 ページ)

» 2021年04月21日 11時00分 公開
[TechEyesOnline]

直流電子負荷装置(スイッチング方式)

 大容量の電子負荷装置をドロッパー方式で作ると発熱が多くなることと、熱になったエネルギーを再利用することは難しいので、負荷のエネルギーを交流に変換して電力系統に戻す回生を行う仕組みを持ったスイッチング(回生)方式の負荷装置が使われる。

 スイッチング(回生)方式はドロッパー方式より構造は複雑になるが、電気エネルギーの有効利用には適している。

 一般に大型のDC-DCコンバーターの試験などでは電源装置と組み合わせて試験装置が作られる。

図5:スイッチング(回生)方式直流電子負荷装置(Ene-phant(50kW)シリーズ) 写真提供:計測技術研究所

LEDモード対応電子負荷装置

 LED素子を駆動する専用の電源装置や電源基板の生産が拡大したことによって登場した特定用途向けの電子負荷装置である。

 LEDは半導体であるため負荷特性は抵抗とは異なる。そのためLEDと同じような挙動を示す電子負荷が作られた。LEDモード対応電子負荷装置を利用すると再現性のよい定量的なLED駆動電源の評価が可能になる。

図6:LEDモード対応電子負荷装置(3340Gシリーズ) 写真提供:計測技術研究所

R.C.L負荷装置

 交流電源装置を評価する際には力率を規定できる負荷が必要となるため、R.C.L負荷装置は受動部品である抵抗、コンデンサー、インダクターで構成される。パワーコンディショナーなどの系統連系試験などの規格にはR.C.L負荷装置を使って試験をすることが規定されている。

図7:R.C.L負荷装置(総合負荷装置 UL/3ULシリーズ) 写真提供:山菱電機

交流電子負荷装置

 交流電源などを評価する際に使用する電子回路によって構成された負荷装置である。受動部品によって構成された抵抗負荷装置やR.C.L負荷装置に比べて高性能、高機能である。このため最近では抵抗負荷装置やR.C.L負荷装置から交流電子負荷への置き換えが進んでいる。

 直流電子負荷装置と同じようにドロッパー方式とスイッチング方式がある。

図8:交流電子負荷装置(32701シリーズ) 写真提供:計測技術研究所

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