図4上は260mmに延長したLEDバーで、図4下はDC24VでLEDバーを点灯させたものだ。
基板の両端にDC24Vと0Vの配線穴を開けてあり細い単線で2つのLEDバーを接続した。修理したPCはDC24V入力だったが、コネクター接続だったので電源基板のDC24Vの位置を確認し、LEDバーの配線を基板にハンダ付けしてバックライトの修理は完了した。パソコンの修理に使ったLEDバーの組み込み例を図5に示す。
図5左は修理したPCモニターで、図5右はバックライトの配線用DC24V位置だ。260mmのLEDバーの電流は50mA程度なのでPCの消費電流を削減することができた。
なお電源電圧が12Vの機器で使う場合には、アップコンバーターで24Vを作れば良い。最近は、中国製の小型のアップコンバーターやダウンコンバーターが安価に入手できるので、機器内の空いたスペースに放熱板なして固定して使っている。LEDバーは消費電流が少ないのが一番のメリットだ。
さて、その後、LEDバーをもっと簡単に作れないか、低温ハンダペーストを使用せず通常のハンダこてでLEDにダメージがないようハンダ付けできないか挑戦してみた。その結果、ハンダこてをLEDに当てる時間を0.5秒程度にして、ハンダ付けできる方法が見つかった。
今は修理の空いた時間に手ハンダでLEDバーを作っている。写真を図6に示す。
図6は手ハンダで作ったLEDバーの写真だ。当初はLEDのハンダ不良やLED向き違いで、動作不良が少し出た。だが、作業を繰り返すうちに今ではほぼ完璧にハンダ付けできるようになった。またこの作業はハンダ付けのトレーニングにもなった。
LEDバーで長さが足りない場合は基板をカットして長さを合わせカットしたLEDの個数に応じて抵抗を追加し、LEDバーの長さを合わせることもできた。
いつも修理を依頼される商社にこのタッチパネル用LEDバーを紹介した。すると、『今までタッチパネルの修理はサポートが中止されている上、バックライトが入手できなくなり、納期が長く修理価格が高かったのでタッチパネルのバックライト修理はビジネスとしては捨てていた。このLEDバーなら受注可能だ』という回答だった。このLEDバーでタッチパネルを修理すれば価格も安く、納期も短くできる。LEDバーの活用の場面は増えるだろう。
LEDバーのキャッチフレーズを作ってみた。
『割れない、切れない、高圧電源がいらない、誰でも簡単に修理ができ、電源を逆接続しても壊れないパーフェクトバックライト』
ぜひ、読者もモニターやタッチパネルのバックライトの修理にトライしてほしい。
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