STマイクロエレクトロニクスは、自立航法に対応した車載用GNSS測位モジュール「Teseo-VIC3DA」を発表した。高精度、高効率の車載用GNSS受信IC「Teseo III」に、車載用6軸MEMSモーションセンサーと自律航法ソフトウェアを組み合わせている。
STマイクロエレクトロニクスは2021年10月、自立航法に対応した、車載用GNSS測位モジュール「Teseo-VIC3DA」を発表した。既に量産を開始しており、16.0×12.2×2.42mmの24ピンLLCパッケージで提供する。1000個購入時の参考サンプル価格は約12.7米ドルだ。
Teseo-VIC3DAは、GPS、Galileo、Glonass、BeiDou、QZSSといった複数の衛星システムの同時受信が可能な同社の車載用GNSS受信IC「Teseo III」と車載用6軸MEMSモーションセンサー、自律航法ソフトウェアを組み合わせた測位モジュールだ。橋や高速道路の下、高層ビルの間やトンネル、地下駐車場の中でも正確に測位できる。
Teseo-VIC3DAは、温度補償型水晶発振器(TCXO)による高精度測位と、リアルタイムクロック(RTC)発振器による初期位置算出時間(TTFF)の短さを特徴とする。電源電圧は3.3V、スタンバイ電流は17μA、トラッキング感度は−163dBm、測位精度は1.5m(CEP:平均誤差半径)。動作温度範囲は−40〜+85℃だ。
内蔵フラッシュメモリにはファームウェアを組み込み済みで、無料ソフトウェア「TESEO-SUITE」を利用してファームウェアを更新できる。自律航法アルゴリズムは、車速信号の有無を検出して自動で動作モードを切り替えられる。
欧州無線機器指令(RED)、対象となるETSI規格、EN安全基準に従う。さらに、USB経由でPCと接続する単体型評価ボード「EVB-VIC3DA」も提供し、迅速な開発を支援する。
主な用途として、カーナビゲーションシステム、車両管理システム、テレマティクス保険用のモニタリングシステムなどを見込んでいる。
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