【徹底解説】バスマトリクスとは:ハイレベルマイコン講座【バスマトリクス編】(4/4 ページ)
バスを1つのバスマトリクスにまとめるのではなく、複数のバスマトリクスを設けてデータ転送の向上を図る場合もある。図6は、STの「STM32H7シリーズ」のバスマトリクである。「64ビットAXIバスマトリクスD1ドメイン」「32ビットAHBバスマトリクスD2ドメイン」および「32ビットAHBバスマトリクスD3ドメイン」の3つで構成される。それぞれのバスマトリクスは独立して動作するが、各バスマトリクス間におけるデータのやりとりも可能だ。これをSTでは、バス間のブリッジと呼んでいる。
Arm Cortex-M7がAXIとAHBのバスマスターの機能を持っているため、それぞれのバスマスターの機能で2つのバスマトリクスを独立して構成し、さらに補助的な32ビットのバスマトリクスを付加して、総合的にデータ転送効率の向上を図った方式だ。
バスマトリクスは、データの転送効率を最適化すれば、どのような構成にしてもかまわず、さらに主従関係を持たせても構わない。
- ハーバードアーキテクチャって何?
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「ハーバードアーキテクチャって何?」です。
- DMAのメリットって何?
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級〜中級者の方からよく質問される「DMA(Direct Memory Access)のメリットって何?」です。
- マイコン製品出荷時に実施されているテスト内容
前回に引き続き、マイコン製品の出荷時にどのようなテストが行われているかを詳しく解説する。今回は、前回概要を解説した以下のテストについて、具体的な方法と詳細について紹介する。
- マイコン製品における出荷テストとは
マイコンの出荷テストについて2回に分けて詳しく解説する。1回目の本記事では、はじめに「マイコンの故障の定義」「故障モード」、次に製造工程のどのステップでテストが行われているかを説明するために「製造工程(製造フロー)」について説明する。そして最後に「基本的なテストの種類」について概要を説明する。
- マイコンで実現するAI ――「組み込みAI」とは
マイコンを使い込んでいる上級者向けの技術解説の連載「ハイレベルマイコン講座」。2回にわたって、汎用マイコンにAIを実装するための開発ツール「STM32CubeMX.AI」を題材にして「マイコンを使った組み込みAIアプリケーション(組み込みAI)」について解説する
- A-Dコンバーターの測定精度を上げる方法【対策の効果を検証する】
すでにマイコンを使い込まれている上級者向けの技術解説の連載「ハイレベルマイコン講座」。前回に引き続き、マイコンに搭載されているサンプル&ホールド型A-Dコンバーター本来の測定精度を得る方法を、実際の測定を基に解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.