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直流/交流電圧や抵抗の測定と仕様の見方初めて使うデジタルマルチメーター(2)(8/8 ページ)

» 2022年09月28日 10時00分 公開
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4端子式測定を行う場合の注意事項

 電流測定用シャント抵抗器など低抵抗を測定する場合は、4端子式で行う。4端子式で測定する場合は、測定対象となる抵抗器の端子まで4本の配線をする必要がある。チップ部品のような小さな抵抗器を自動選別機などで測定する際も、可能な限り4本の配線のまま抵抗器の端子まで配線を引き延ばすと、誤差の少ない測定が可能となる。

図29:自動選別機などで4線式抵抗測定を行う際の注意点[クリックで拡大]

高抵抗を測定する際の注意事項

 デジタルマルチメーターで高抵抗を測定する場合は、微小な電流を流して測定する。このため外部からのリーク電流が流れ込まないように「シールド設置、湿度の影響による絶縁抵抗の減少、振動による摩擦電気効果の影響」を受けない工夫などが必要となる。

 高精度に高抵抗を測定する場合は、デジタルマルチメーターではなく、下図のような専用の高抵抗計を利用することが望ましい。この測定器はエレクトロメーター(ピコアンメーターとも呼ばれる)として微小な直流電流の測定もできる。

図30:高抵抗を測定できるエレクトロメーター/高抵抗計 B2987B(キーサイト・テクノロジー)

【ミニ解説】直流による抵抗測定と交流による抵抗測定

 抵抗を測定する方法として、デジタルマルチメーターのように直流定電流源を使う方法とは別に、交流を使って測定する方法がある。LCRメーターには抵抗を測定できる機能はあるが、これは交流で抵抗を測定する方法である。

 交流で抵抗測定すると測定対象に印加される電圧値を小さくできるので、コネクターやスイッチなどの接点の表面に生じる薄い酸化膜を破壊することなく測定できる。また、交流であるため熱起電力の影響は受けない特長がある。しかし、高確度の測定には向かない。

表7:直流抵抗計と交流抵抗計の違い[クリックで拡大]



転載元「TechEyesOnline」紹介

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