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直流/交流電圧や抵抗の測定と仕様の見方初めて使うデジタルマルチメーター(2)(3/8 ページ)

» 2022年09月28日 10時00分 公開
[TechEyesOnline]

漏れ電流による誤差

 デジタルマルチメーターを使って高い信号源抵抗を持つ直流電圧源を測定する場合は、デジタルマルチメーターからの微小な漏れ電流が誤差要因となる。漏れ電流は34461Aでは30pA(25℃)という仕様となっている。漏れ電流は周囲温度が30℃を超えると、8℃ごとにバイアス電流は2倍になる。

図8:漏れ電流の影響によって発生する誤差[クリックで拡大]

1000Vを越える直流高電圧の測定

 34461Aでは、1000Vまでの直流電圧まで測定可能となっている。これ以上の高い電圧を測定する場合は、外部に分圧器を用意して測定を行う。分圧器は、高電圧プローブとして販売される場合もある。高電圧の測定は危険であるため、入力端子の低圧側は接地する。

図9:分圧器を使って高電圧を測定する場合の接続[クリックで拡大]

微小な直流電圧の測定

 34461Aの直流電圧を測定する最小電圧レンジは100mVとなっている。このレンジより小さい電圧レンジで直流電圧を測定したい場合は、微小電圧測定専用のナノボルトメーターという測定器を利用する。下図に示すナノボルトメーターでは1mVまでのレンジがある。

図10:ナノボルト/マイクロ・オーム・メーター 34420A(キーサイト・テクノロジー)

【ミニ解説】デジタルマルチメーターで採用されている安全端子

 デジタルマルチメーターは高電圧まで測定できるようになっているため、最近のデジタルマルチメーターではIEC61010に準拠した安全端子が使われている。設計された時期が古い製品では、配線ケーブルを直接接続できるバインディングポスト端子が使われている。配線材の導体が手に触れる危険があるので、利用する場合は注意が必要である。

図11:デジタルマルチメーターに使われている入力端子

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