熱伝導率2.7W/m・Kの多層基板用フィルム:パナソニック R-2400
パナソニック インダストリーは、高熱伝導性多層基板用フィルム「R-2400」を開発した。2.7W/m・Kと優れた熱伝導率で熱対策部品点数を削減するほか、樹脂流れ性にも優れていて、電子回路基板の多層化による機器の小型化に寄与する。
パナソニック インダストリーは2023年5月、高熱伝導性多層基板用フィルム「R-2400」を発表した。既に、量産およびサンプル提供に対応している。
高熱伝導性多層基板用フィルム「R-2400」 出所:パナソニック インダストリー
R-2400は、材料の熱伝導率を高める上で重要な、無機フィラー設計の知見を応用した高熱伝導化技術を採用。2.7W/m・Kに達する優れた熱伝導率により、放熱フィンなどの熱対策部品点数を削減できる。
熱伝導率の比較 出所:パナソニック インダストリー
また、無機フィラーと絶縁樹脂とのバランスを考慮した配合設計を採用していて、樹脂流れ性にも優れる。電子回路基板の多層化が可能となるため、機器の小型化に寄与する。
基板多層化による機器の小型化イメージ 出所:パナソニック インダストリー
一般的な電子回路基板の加工設備で加工できるため、工程負荷を低減する。プリプレグと組み合わせることで、一括成型も可能となる。同社独自の樹脂設計や配合技術で材料を高耐熱化していて、UL定格温度150℃認定を取得した。車載用途など高温環境下での使用に対応する。
車載用充電器や太陽光発電向けパワーコンディショナー、鉄道向け電源、昇圧コンバーター、インバーターなど、熱対策が求められる基幹電源部品向けの多層基板や部品内蔵基板といった用途に適する。
部品内蔵基板への適用イメージ 出所:パナソニック インダストリー
- 従来品比40%薄膜化した誘電体フィルム
SABICは、同社従来品と比較して40%薄膜化した誘電体フィルム「ELCRES HTV150A」を発表した。膜厚が3μmと薄いため、コンデンサーのエネルギー密度が向上し、小型化や軽量化が図れることから、より柔軟な設計が可能になる。
- 次世代車載内装UI向けの静電フィルムセンサー
日本航空電子工業は、次世代車載内装のUIに適したフィルムセンサーを開発した。静電センサー1枚に非接触センサー、タッチセンサー、感圧センサーを統合している。機能とデザイン性に優れた次世代UIを可能にする。
- 軽量難燃のEV電池用絶縁フィルム向け樹脂
SABICは、EV用電池モジュールの絶縁フィルム向け「NORYL NHP8000VT3樹脂」を発表した。ポリカーボネートと比べて最大40%の軽量化を可能にしつつ、短絡や火災伝搬に対する高い保護性能を提供する。
- プラスチック非使用の環境配慮型NFCタグ
凸版印刷は、紙素材をアンテナ基材に用いた、環境配慮型NFCタグラベルの販売を開始した。プラスチック非使用ながらNFCタグとしての通信性能を保っていて、ラベルの厚さも30%削減した。
- 5G帯域の電波を選択的に吸収するシート
大日本印刷は、5Gに用いるミリ波帯やSub6帯において、周波数の電波のみを選択的に吸収して干渉や漏えいを防ぐシートを開発した。薄型かつ軽量で、さまざまな場所に施工、設置できる。
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