SABICは、同社従来品と比較して40%薄膜化した誘電体フィルム「ELCRES HTV150A」を発表した。膜厚が3μmと薄いため、コンデンサーのエネルギー密度が向上し、小型化や軽量化が図れることから、より柔軟な設計が可能になる。
SABICは2022年10月、同社従来品と比較して40%薄膜化した誘電体フィルム「ELCRES HTV150A」を発表した。
ELCRES HTV150Aは、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)のインバーター、車載充電器、電動コンプレッサーなどに用いるコンデンサー向け樹脂フィルムだ。膜厚3μmで、同社従来品の5μmから2μm薄くなっている。コンデンサーのエネルギー密度が向上し、小型化や軽量化が図れることから、より柔軟な設計が可能になる。
最大周波数100kHz、動作温度−40〜+150℃で安定した性能を発揮する。高温に耐えられるため、SiCパワーモジュールでの使用に適する。
優れた絶縁破壊強度、自己修復性、アルミニウムや亜鉛への付着性を備える。誘電性能は、誘電率(Dk)が2.9、誘電正接(Df)が0.0017。顧客の実証により、「フィルム―箔電極」と「フィルム―金属蒸着電極」のいずれにも使用できることが確認されている。
ELCRES HTV150Aを用いて製造したコンデンサーは、低い容量変化と安定した絶縁抵抗を示し、150℃で2000時間の標準電気、寿命試験をクリアしている。
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