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D-Aコンバーターの仕組みと使い方Q&Aで学ぶマイコン講座(85)(4/4 ページ)

» 2023年10月05日 10時00分 公開
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DACの出力タイミング

 DACの設定後、信号が出力されるまでにはセットリングタイムが必要です。セットリングタイムを考慮してシステムを構成しないと、DACを設定した直後は何も出力されずにシステムの誤動作を引き起こす場合があるので注意が必要です。

 STM32L5シリーズの場合、ユーザーが出力レジスタDORに直接書き込むことはできません。DAC_DHRレジスタに書き込んだ後に、その値がDORに転送されます。例えば、ソフトウェアトリガーが選ばれている場合、DAC_DHRレジスタに書き込んだ後、1サイクル後にDORへデータがロードされ、3サイクル後に出力電圧が有効になります(図5

図5:DACのセットリングタイム 図5:DACのセットリングタイム[クリックで拡大]
STM32L5シリーズリファレンスマニュアルから抜粋

データフォーマット

 DORに出力データを書き込む場合、フォーマットが決められています。

 STM32は32ビットマイコン*3)なので、レジスタも32ビットです。従って、32ビットのレジスタに12ビットのデータを書くフォーマットが決められています。STM32L5シリーズはDACを2モジュール搭載しており、レジスタが共有されています。そのため、決められたフォーマットに従ってデータを書かないと、意図しない電圧が出力されてしまいます。

 図6に、各モードのフォーマットを示しました。図151はDACを1つしか使わない場合で、図152は2つのDACを使う場合です。図152では、濃いグレーと薄いグレーで2つのDACを分けています。詳細については、マニュアルを参照してください。

図6:DACのデータフォーマット 図6:DACのデータフォーマット[クリックで拡大]
STM32L5シリーズリファレンスマニュアルから抜粋

*3)参考:Q&Aで学ぶマイコン講座(41)「マイコンはビット数で何がどう違うのか?

⇒次の記事を読む

Q&Aで学ぶマイコン講座:過去の質問一覧はこちら

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