STマイクロエレクトロニクスは、3相モータードライバー「STSPIN32G4」をベースにした、エッジAI機能付きのモータードライバーリファレンス設計「EVLSPIN32G4-ACT」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2024年1月、3相モータードライバー「STSPIN32G4」をベースにした、エッジAI(人工知能)機能付きのモータードライバーリファレンス設計「EVLSPIN32G4-ACT」を発表した。同社のWebサイトから入手可能で、単価は約149.00米ドル(約2万1900円)となる。
EVLSPIN32G4-ACTは、最大250Wのモーターを駆動でき、12V、24V、36V、48Vの電源で動作する。保護機能として、過熱保護、低電圧保護、過電圧保護、過電流保護機能を備え、部品点数を低減して小型化に寄与する。6ステップ制御またはフィールド指向制御、センサー付きまたはセンサーレスローター位置検出、3シャントまたは1シャントの電流検出を選択できる。
また、最大48V、5Aの3相モーター用インバーター段、センサーモジュールに接続してアプリケーションを構築するためのソフトウェアも含まれている。パワーマネジメント回路を備えるゲートドライバーと、マイクロコントローラー「STM32G4」を組み合わせたSTSPIN32G4を搭載する。
同社の産業用IoT(モノのインターネット)向けワイヤレスセンサーノード用開発キット「STWIN.box(STEVAL-STWINBX1)」と、直接接続できる。これにより、モーター制御や環境データのリアルタイム分析、IoT接続を組み合わせたシステム開発を促進できる。
STWIN.boxは、低消費電力マイコン「STM32U5」のほか、産業グレードのMEMSセンサーを搭載していて、アクチュエーションエンジンの状態に関する情報を取得できる。同時に、高速データロギング機能を活用して、エッジAIとML(機械学習)に基づくソリューション開発を支援する。システムエンジニアは、環境データと制御データを組み合わせることで、アプリケーションの動作状況を正確に把握できる。
さまざまな機能とソフトウェアを含むEVSPIN32G4-ACTを使用することで、メインのモーションコントローラー側にエッジAI機能を近づけることができる。インテリジェンスと意思決定能力を備えたIoT機器を開発可能になり、FA機器やスマートアクチュエーションを必要とするアプリケーションなどで、高速かつ高効率なデータ処理とアクチュエーションを支援する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.