現代の乗用車には平均80個のセンサー、100個の電子部品、そして大量の配線が使われています。天候や湿気、さまざまな路面状況、高温、振動など、厳しい走行環境下で優れた性能を発揮するためには一つ一つの部品が厳しい基準をクリアする必要があります。
「運送業において、堅牢性と信頼性は非常に重要です」とLuke氏は述べます。「一部の自動車部品は数十年の耐用年数が求められます。自動車の進化はそのようなタイムスパンを持っているため、利用者が車や飛行機で移動する際に求めるUSB-C充電ケーブルなどを企業や組織の保有車両全体に搭載するには時間がかかるかもしれません」
自動車メーカーが使用する部品の基準を設定する認証機関としてはAutomotive Electronic Council(AEC)やUS Council for Automotive Research(USCAR)などが存在します。これらの組織は性能要件を定義し、走行環境での使用が想定された部品を慎重に審査、認証しています。世界的に知られているAECの認定(AECQ)部品は一般的に品質、堅牢性、信頼性に優れており、路上での衝撃にも性能が低下しません。他にも、自動車設計で部品を選択する際に注意すべき点があります。
McWhinney氏は「自動車部品のリスク評価と仕様は表裏一体の関係です」と指摘します。「部品が継続的に使用されるだけでなく、追加機能が求められるようになった場合、仕様の再定義や更新が必要になることがあります。裏を返せば、その仕様が過剰で高コストを招いていたり、設計の柔軟性を損ねていたりする可能性があるということです。アーキテクチャの進化に伴い、仕様の重要性は増加しています」
Luke氏は、「相互接続の大きなメリットはモジュール部品の付け替えが可能なことです」と付け加えます。「そんなことは当然だ、と思われるかもしれませんが、自動車設計における相互接続性の重要性は過小評価されがちなのです」
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