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自動車設計の進化で電子部品への要求はどう変わる?DigiKeyとMolexが解説(4/4 ページ)

» 2024年07月26日 13時00分 公開
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安全性は「最優先に」

 そして何よりも、自動車の設計においては安全性が最優先されなければならない、とエキスパート3人は口をそろえます。

 「安全面の重要性はいくら強調してもしすぎることはありません」(Ulery氏)。「コンピュータが動かないときは、再起動するだけで済みます。しかし、高速走行中に演算している自動車ではそれが不可能です。通常とは全く異なるレベルの対策をあらゆる面において施す必要があるのです」

 「業界は、常に最新かつ最高の部品を求めています。つまり、最高の性能を発揮する最新機能をどうやって短期間で実装するかという考え方です。その一方で、われわれは人々の命に関わる製品を扱っていることを忘れてはなりません。信頼性で妥協は許されないのです」(Ulery氏)

SDVプラットフォームに向かう

 今後、消費者は安全性と快適性のさらなる機能向上を求めるようになると考えられます。また、化石燃料への依存度が低いEVやその他の交通手段のニーズも高まるはずです。

 「電動化の流れは止まりません」とMcWhinney氏は強調します。「むしろ、速くなっています」。さらに、車載用電子部品では小型化への傾向が継続しています。

 「マイクロエレクトロニクスの進歩により、車両に搭載されるマイクロプロセッサが増え、SDVのプラットフォームに向かっています。自動車の全ての要素がソフトウェアによって動的に直接制御されるようになるとは限りません。ですが、制御システムがその方向に再構築されていくことは大きな意味を持っています」(McWhinney氏)

車両に搭載されるマイクロプロセッサが増え、SDVのプラットフォームに向かう 車両に搭載されるマイクロプロセッサが増え、SDVのプラットフォームに向かう[クリックで拡大]

 特に自動運転など、エッジで非常に高速なデータ処理が必要とされる用途では、車両に搭載されるマイクロプロセッサの数が増えることで、自動車の技術革新が加速することになるはずです。早ければ2030年には自動運転車が普及する可能性があります。既に多くの人が自動車のクルーズコントロールや飛行機のオートパイロットなどの半自律機能に慣れ親しみ、安心感を抱いています。運輸産業と自動車産業の技術革新は、今後も続いていくはずです。

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