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マイクロプロセッサを使用したシステム、基板レイアウト作成時の重要ポイントはマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(4)(5/6 ページ)

» 2024年12月19日 10時00分 公開

基板配線の配線トラック幅/配線トラック間隔

 DDRメモリの信号配線は、シングルエンド55Ωと差動100Ωが必要になります。この2つを例に配線トラック幅とトラック間隔の例を見てみましょう。

 前提条件として、基板の層構成が決まると、配線間のプリプレグの厚みや比誘電率が決まります。これらを決めた後、配線のトラック幅と配線トラック間隔は基板に必要な特性インピーダンスから決定できます(図2

<strong>図2:特性インピーダンスを考慮した配線</strong> 図2:特性インピーダンスを考慮した配線[クリックで拡大]
  • シングルエンド:絶縁体の厚みhと比誘電率εrによって導体wの幅を決定
  • 差動信号:間隔sも加えて決定する必要有り

 表2を前提条件とした時のFR-4での4層基板の配線トラック幅/配線トラック間隔の例を表4に示します。

名称 厚み[mm] 比誘電率 シングルエンド 55Ω 差動 100Ω
トラック幅 トラック間隔 トラック幅 トラック間隔
ソルダレジスト(トップ) 0.025 3.5 - - - -
銅箔(トップ) 0.037 - 0.09mm プリプレグの厚み0.07mm*3以上 0.09mm 0.16mm
プリプレグ 0.07 4.1 - - - -
銅箔(L2) 0.035 0.0595mm 銅箔(トップ)と同様 0.042mm 0.127mm
コア材 1.33 4.25 - - - -
銅箔(L3) 0.035 - 0.0595mm 銅箔(ボトム)と同様    
プリプレグ 0.07 4.1       
銅箔(L4) 0.037 - 0.09mm プリプレグの厚み0.07mm*3以上    
ソルダレジスト(ボトム) 0.025 3.5        
シルク(ボトム) - - -      
表4:FR-4での4層基板の配線トラック幅/配線トラック間隔の例

基板配線の特性インピーダンスの確認

 基板配線の特性インピーダンスを計算する式とその複雑さや精度を表5にまとめました。基板設計CADにはマイクロストリップおよび差動マイクロストリップの特性インピーダンスを計算するカリキュレータが搭載されているため、これを使用して、配線のトラック幅と配線トラック間隔が妥当かどうか、特性インピーダンスを確認します。

方式 簡潔さ 計算精度
IPC-2141の近似式 簡単
Brian C. Wadellの方程式 複雑
フィールドソルバーによる数値計算 複雑
表5:特性インピーダンスの計算方法の比較

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