三菱電機は、5G massive MIMO基地局向けGaN電力増幅器モジュール「MGFS52G40MB」を発表した。独自の整合回路設計技術を適用し、3.6〜4.0GHz帯へ対応。より多くの国や地域の5G基地局の普及拡大に貢献する。
三菱電機は2025年3月、5Gのmassive MIMO基地局向け窒化ガリウム(GaN)電力増幅器モジュール「MGFS52G40MB」を発表した。同月25日よりサンプル出荷を開始している。
同社独自の整合回路設計技術を適用したMGFS52G40MBは、北米や東アジア、東南アジアなどで広く使われている3.6〜4.0GHz帯に対応。より多くの国や地域の5G基地局の普及拡大に貢献する。また、平均出力電力を32T32R massive MIMOアンテナに適した16W対応としたことで、電力増幅器モジュールの使用数が減り、製造コストや消費電力を低減できる。
エピタキシャル成長層を改良したGaN HEMTを搭載していて、高効率動作と5Gの信号品質を満たす低ひずみ特性を有する。独自の広帯域ドハティ回路技術を適用することで、3.6〜4.0GHz帯の400MHz帯域において電力付加効率41%の低ひずみ特性を達成した。
さらに、独自の高密度実装技術を採用。高出力化に伴う放熱性の課題を改善する同技術により、高効率動作に適したドハティ回路を内蔵する電力増幅器のモジュール化を図った。
推奨動作出力電力は16W(42dBm)、最大飽和出力電力は141W(51.5dBm)、動作利得は30dB。外形サイズは11.5×8.0×1.4mmだ。
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