ベルニクスはTECHNO-FRONTIER 2012に、SiCデバイスを使った直流給電システム用電源や、60A出力のデジタル制御POLコンバータモジュールなど新たに開発した電源製品を出品した。
ベルニクスは、SiCデバイスを使った直流給電システム用電源や、60A出力のデジタル制御POLコンバータモジュール、低雑音の絶縁型DC-DCコンバータなど多様な電源製品を、「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11〜13日、東京ビッグサイト)に出品した。
SiCデバイスを使った直流給電システム用電源は、出力電力が2.2kWの電源ユニットを3つ搭載しており、200〜420Vの入力電圧を12Vに降圧する役割を担う。例えば、太陽光発電システムの出力を受け取って12V電源に降圧するといった用途を想定している。最大効率は94%、出力電流は各電源ユニットそれぞれ180Aで、合計540Aである。SiCダイオードを整流用に使った他、DC-DC変換のスイッチング素子としてSiC材料のMOS FETを使ったときの動作も確認済みであるという。
次に、60A出力のデジタル制御POLコンバータモジュールは、通信インフラ用のLSIやFPGA、スイッチICなどを対象にした電源である。「出力電流が60Aと大きく、デジタル制御のPOLコンバータの製品化は業界初」(ベルニクスのブース担当者)という。モジュールの外形寸法は32.8×23×10mm。同社は、これまで同程度のモジュール寸法で、出力電流が20Aの品種を提供していた。これに比べて、出力電流を一気に40Aも高めたことになる。入力電圧は8〜12V、出力電圧は0.6〜1.5V。最大効率は88%、出力電圧の設定精度は±0.5%である。デジタル制御信号によって、出力電圧や立ち上がりシーケンスを設定できる。
最後に低雑音の絶縁型DC-DCコンバータ「BLCシリーズ」は、リップル雑音がピーク・ツー・ピーク値で8mVと小さいことが特徴だ。「一般的なDC-DCコンバータのリップル雑音が50〜60mVなので、これに比べて1/6〜1/7と小さい」(同社)。リップル雑音を抑えることで、出力フィルタの部品点数と実装面積を削減できる。同社はこれまで、リップル雑音が8mVと小さい品種として「BR05-1220LB」を製品化していたが、これの実装面積は51.3mm角と大きかった。新たに開発した品種の実装面積は23.7mm×21.6mmと小さい。入力電圧や出力電流が異なる幾つかの品種を用意した。
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