ACPL-P/W345とACPL-P/W346は、伝達遅延時間が最大120nsで同社従来品に比べて半分に短縮した高速ゲート駆動用フォトカプラである。出力ピーク電流は最大で1Aと2.5Aの製品がある。同相ノイズ除去(CMR)性能は最小50kV/μsを確保した。
アバゴ・テクノロジーは2013年5月、高速ゲート駆動用フォトカプラとして、出力ピーク電流が1Aの「ACPL-P/W345」と、2.5Aの「ACPL-P/W346」を発表した。インバータやスイッチング電源などの機器で用いられている高速スイッチング動作のパワーMOSFETやSiC(炭化ケイ素) MOSFETの駆動/保護用途に向ける。サンプル価格はACPL-P345および同W345がそれぞれ160円より、ACPL-P346および同W346がそれぞれ140円より。
ACPL-P/W345とACPL-P/W346は、伝達遅延時間が最大120nsと短く、同社従来品に比べて半分に短縮している。出力電圧はレール・ツー・レールを実現した。MOSFET駆動に適応したヒステリシス付き低電圧ロックアウト(ULVO)機能などの保護機能も搭載している。同相ノイズ除去(CMR)性能は最小50kV/μsを確保した。パッケージは小型サイズのストレッチSO-6を用いており、プリント配線板の実装面積を削減することが可能だ。さらに、海外安全規格である「UL 1577」、「IEC/EN/DIN EN 60747-5-5」などに準拠している。
フォトカプラは、高い電圧やノイズから機器や回路を保護し、絶縁(アイソレーション)による安全性などを保証するために用いられている。特に、高いエネルギー効率が要求されるモーター制御や電力変換用途では今後、IGBTに比べて高速スイッチングが可能なSiC MOSFETなどの利用が増大するものとみられており、高速ゲート駆動用フォトカプラに対するニーズが高まっていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.