パワー半導体の基礎知識:「超入門」いまさら聞けない半導体技術(4/4 ページ)
そこで、シリコンよりも、電気を通しやすく、電力損失が発生しにくい新しい半導体材料で、パワー半導体を製造することが検討されてきた。新しい半導体材料としては、SiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイト)、GaN(窒化ガリウム、ガリウムナイトライド)の2種類が有力視され、開発が活発に行われ、両材料ともに「次世代パワー半導体」として、ここ数年間で製品化が相次いでいる。
なお、SiCは、これまでIGBTが使用された用途、GaNはこれまでパワーMOSFETが使用された用途を中心に応用されるとみられている。
パワー半導体の世界市場予測[クリックで拡大] 出所:富士経済「2024年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」(2024年2月)
SiC、GaNともに、パワー半導体に適した特性を備えるものの、ウエハー製造がシリコンに比べ難しく、製造コストが高いという課題を抱えており、その解決に向けた技術開発が望まれている。
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