インフィニオンテクノロジーズは、50Hz〜20kHzの低スイッチング周波数向けに、総電力損失を最小限に抑えたIGBTを発表した。「TRENCHSTOP 5」薄ウエハー技術をベースとし、導通損失をさらに削減した。
インフィニオンテクノロジーズは、50Hz〜20kHzの低スイッチング周波数向けに、総電力損失を最小限に抑えた低飽和電圧(VCE(sat))のIGBT「L5」ファミリを発表した。無停電電源(UPS)の他、太陽光発電システムや溶接システム向けのインバータなどの用途に向ける。
L5ファミリは、「TRENCHSTOP 5」薄ウエハー技術をベースとし、キャリア分布をより最適化することで、本来低い導通損失をさらに削減した。VCE(sat)の典型値は25℃/1.05Vと高効率で、従来の「TRENCHSTOP IGBT」と比べて、NPC 1トポロジの場合で最大0.1%、NPC 2トポロジで最大0.3%の効率化が可能になった。
VCE(sat)は正の温度係数を持つため、高効率性を維持するだけでなく、並列接続も容易にできる。さらに、総スイッチング損失を25℃で1.6mJまで抑えた。
業界標準の「TO-247」3ピン パッケージから提供を開始し、今後、さらに広範囲な効率化が求められるアプリケーション向けに「TO-247」4ピン ケルビンエミッタ パッケージも提供する予定。4ピン パッケージでは、3ピン パッケージと比べてスイッチング損失を20%低減できるという。
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