日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の「DRV421」は、フラックスゲートセンサーと補償コイル用励磁回路などで構成する閉ループ制御回路を内蔵した完全統合型磁気センサーICである。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2015年6月、フラックスゲートセンサーと補償コイル用励磁回路などで構成する閉ループ制御回路を内蔵した完全統合型磁気センサーIC「DRV421」を発表した。モーター制御や再生可能エネルギー、電池の充電器、電力モニタなどにおける非接触電流計測用途に向ける。
DRV421は、フラックスゲートセンサーを内蔵している。これにより、これまで同センサーを外付けしていた場合に比べて、回路設計や組み立て工程を簡素化できるとともに、基板への実装面積も少なくて済むという。
センサーの統合によって、高い精度と直線性も実現した。センサーの総合精度は0.1%未満を達成しており、モーターやFA機器において、より高い精度の制御を可能とした。また、閉ループの磁気コアの消磁とオフセット較正の動作手順を内蔵している。これにより、従来に比べてシステムレベルで高い精度を実現するとともに、ダイナミックレンジを最大6桁向上させたという。しかも、3.3V動作を可能としたことから、A-Dコンバータとの間のアナログ回路を簡素化できるのも回路設計者にとっては大きなメリットだ。
DRV421は、外形寸法が4×4mmのQFNパッケージで供給する。すでにサンプル出荷を始めており、量産出荷は2015年第3四半期(7〜9月)の予定だ。参考価格は1000個購入時で単価が2.50米ドルとなっている。なお、スミダ電機はDRV421向けの磁気モジュール「SC2912」を供給している。
DRV421を応用したシステム開発を支援する評価モジュール「DRV421EVM」も発売している。参考価格は49米ドルである。
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