IDTの「F2255」と「F2258」は、RF電圧可変アッテネータ(VVA)シリーズである。GaAs(ガリウムヒ素)ベースの既存製品に比べて、直線性を1000倍改善している。
IDTは2015年8月、RF電圧可変アッテネータ(VVA)シリーズとして新たに「F2255」と「F2258」の2製品を追加した。GaAs(ガリウムヒ素)ベースの既存製品に比べて、直線性は最大30dB改善している。4Gなどの基地局やマイクロ波通信装置、防災無線装置、自動テスト装置、JTRS(Joint Tactical Radio System)無線装置などの用途に向ける。
F2255とF2258は、シリコンベースのRF ICで、周波数範囲は1M〜6GHzを実現するとともに、低い挿入損失と高い直線性を達成した。特に、挿入損失は競合製品に比べて半減しており、ひずみ特性を示すインターセプトポイント(IP3:3rd order intercept point)は、GaAsベースの素子と比較して1000倍(30dB)を達成している。これらの特長により、RFチェーンパス損失が軽減されるとともに、高い直線性によりシステムのデータレートを向上させることができるという。
F2258は入力IP3が最大65dBm、最大減衰傾度は33dB/V、6GHzまでの最小反射損失は12.5dBである。F2255は周波数範囲の下限が1MHzで、最大減衰傾度は33dB/Vとなっている。いずれも、双方向のRFポートを備え、正電源電圧は3Vまたは5V、動作温度範囲は−40〜105℃である。パッケージは外形寸法が3×3mmの16端子TQFNで供給する。
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