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入力インピーダンスの高いアンプの静電気保護Design Ideas アナログ機能回路(2/2 ページ)

» 2015年12月24日 11時30分 公開
[Eugene PalatnikEDN Japan]
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リーク電流の影響を抑えたESD保護回路 図2:リーク電流の影響を抑えたESD保護回路 (クリックで拡大)

 ESDが発生すると、大きなスパイク電圧が生じる。そのスパイク電圧の極性により、D1AあるいはD1Bが導通し、正または負の電源に向かって放電が起きる。このとき、コンデンサC1、ダイオードD2A、D2Bの接続点に大きな電圧が加わることになるが、D2AあるいはD2Bが導通するまでの間は、C1が放電電流の電荷を一時的に蓄積する。最終的にD2AあるいはD2Bが導通状態になると、放電電流が正または負の電源に向けて流れ、電荷が吸収される。また、コンデンサC1による電荷の蓄積効果により、スパイク電圧の立ち上がりが緩和され、IC1の出力部のラッチアップが回避される。コンデンサC1は、実際にはダイオードD1A/D1Bの浮遊容量が加わった値となる。この容量性負荷に起因してオペアンプIC1が発振する可能性があるが、それはR3の効果によって回避される。

 ESDの発生時には、入力部(VIN)の電圧が電源電圧範囲を超えることがある。しかし、この回路であればD1A/D2AかD1B/D2Bが導通するため、その程度は2個のダイオードの順方向電圧ドロップ分だけで済む。従って、抵抗R1とR2を使用すれば、オペアンプへの入力電流をメーカー推奨の最大値である5mA以下に制限できる。

回路実装におけるプリント基板の注意点

 図2の回路の実装においては、ESD対策として、特にプリント基板に関していくつか注意を払う必要がある。1つはプリント基板自体の問題である。プリント基板の絶縁抵抗が不均質だと、その部分が不要なリーク電流のパスとなるので注意しなければならない。もう1つの注意点はプリント基板のパターンである。基板の両面に、高インピーダンスの部分を取り囲むようにガードリングパターンを形成し、リーク電流が信号ラインに混入しないようにしなければならない(図3)。

プリント基板レイアウトの例 図3:プリント基板レイアウトの例 (クリックで拡大)
最良の動作を得るためには、リーク電流のパスをなくすように、高インピーダンスな部分を銅箔パターンで囲む必要がある

Design Ideas〜回路設計アイデア集

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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