STマイクロエレクトロニクスは、プログラム可能なPLC(電力線通信)エンジン「ST8500」とラインドライバー「STLD1」で構成されるPLCチップセットを発表した。データのパッケージ化と変換に対応するため、電力線からの信号の送受信が行える。
STマイクロエレクトロニクスは2017年9月、プログラム可能なPLC(電力線通信)エンジン「ST8500」とラインドライバー「STLD1」で構成されるモジュール型のPLCチップセットを発表した。プロトコル処理機能を統合し、データのパッケージ化と変換に対応するため、電力線からの信号の送受信が行える。
同チップセットは、G3-PLCとPRIME電力線プロトコルスタックの認証を取得し、CENELEC、FCC、ARIBで規定された周波数帯に準拠している。特定の規制へ準拠が求められる場合には、新規および既存の計測機器、制御機器の外付け通信モジュールとして活用できる。
チップセットを構成するST8500は、受信モードの消費電力が100mW未満と低消費電力のため、スマートメーターによるグリッドへの負荷を最小限に抑える。また、ARM Cortex-M4FプロセッサとクアッドコアDSPを搭載。いずれもコードやデータ保存用のSRAM、STLD1に接続するためのアナログフロントエンド(AFE)を内蔵している。AES暗号化エンジンなど、スマートエネルギーアプリケーション向けの専用ペリフェラルも実装した。
STLD1は、シングルエンドで18V、差動モードで36Vという幅広い出力範囲に対応。低インピーダンス、高いドライバー性能を備え、ノイズの多いケーブルでも信頼性の高い通信を可能にしている。
同チップセットは既に量産を開始しており、電力、水道、ガスメーターやスマート街路灯、産業用制御システムなどでの用途を見込む。ST8500は7×7×1mmのQFN56パッケージ、STLD1は4×4×1mmのQFN24パッケージでの提供となる。
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