保護ICに搭載された回路は、双方向の故障保護および過電圧保護機能を提供する。従って、入力と出力を入れ替えて使うことも可能である。図3は正の過電圧が発生したときの保護回路各点の電圧とMOSFETの飽和状態を表す。
故障状態で発生する電流(IOUT)は出力負荷(RL)によってVCLAMP/RLに制限される(図4)。電源(VDDとVSS)がオフの場合には、IOUTの値はナノアンペア(nA)のオーダーに抑えられる。図5は、保護回路を3チャンネル内蔵した保護IC「ADG466」を使って、感度の高い計装用アンプの入力をセンサー故障から保護する回路である。
図4:出力負荷によって電流が制限される (クリックで拡大)複数のセンサーを使ったシステムでチャンネル保護を必要とする場合は、故障保護を備えた4対1チャンネルアナログマルチプレクサーIC「ADG439F」が利用可能である(図6)。このICに集積されたマルチプレクサーは、nチャンネルMOSFETとpチャンネルMOSFET、nチャンネルMOSFETを直列に接続した入出力インタフェースを備える。故障状態が発生すると、このインタフェースが開放状態になり、出力回路と同様にセンサーや計装アンプを保護する。
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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。
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