電源系統と機能を1チップで供給するPMIC:ローム BD71837MWV
ロームは、NXPセミコンダクターズのアプリケーションプロセッサ「i.MX 8M」ファミリー向けのパワーマネジメントIC「BD71837MWV」を開発した。i.MX 8Mプロセッサに必要な電源系統と機能を1チップに集積している。
ロームは2018年5月、NXPセミコンダクターズのアプリケーションプロセッサ「i.MX 8M」ファミリー向けのパワーマネジメントIC(PMIC)「BD71837MWV」を発表した。同年6月からサンプル出荷を開始し、同年10月から月産40万個の体制で量産する。参考価格は800円(税別)。
パワーマネジメントIC「BD71837MWV」
i.MX 8Mプロセッサは、最大4個のARM Cortex-A53コアとCortex-M4コアを搭載。また、フル4K解像度、HDR(ハイダイナミックレンジ)ビデオ機能などを備え、音声、映像処理向けのアプリケーションプロセッサとして活用されている。
BD71837MWVは、i.MX 8Mプロセッサに必要な電源系統と機能を1チップに集積する。制御ロジック、降圧DC-DCコンバーターを8チャンネル、LDOレギュレーターを7チャンネル搭載した。コンバーターの変換効率は最大95%。入力電圧は2.7〜5.5Vで、1セルのリチウムイオン電池からUSB給電まで対応できる。
「BD71837MWV」のブロック図
8×8×1mmのQFNパッケージで提供され、ディスクリート部品の実装と比較すると、Type-3 PCB片面実装の場合で面積を45%、部品点数を56個削減した。SDXCカード用1.8V/3.3Vスイッチ、水晶発振回路も搭載。電源系統ごとの出力短絡、出力過電圧、過電流やサーマルシャットダウンなどの保護機能も備える。
省スペース化と部品点数削減に貢献(ディスクリート構成との比較)
I2Cインタフェースも内蔵し、i.MX 8Mプロセッサに合わせて電源制御や保護機能の有効、無効設定に対応する。i.MX 8M製品と組み合わせた動作も確認済み。PMIC単体の評価ボードの提供も可能で、アプリケーションの設計と開発期間の短縮を支援する。
- 高い電力効率を小さい面積で実現するPMIC
ルネサス エレクトロニクスは、小型ながら高電力効率を可能にしたプログラマブルパワーマネジメントIC「ISL91302B」「ISL91301A」「ISL91301B」を発表した。1出力から4出力のマルチフェーズだ。
- 車載SoC「R-Car H3」向けPMICチップセット
ダイアログ・セミコンダクターは、ルネサス エレクトロニクスの車載コンピューティングプラットフォーム「R-Car H3」向けに、システムPMICと2つのサブPMICで構成するパワーマネジメントIC(PMIC)チップセットを発表した。
- 1.1V出力時の効率91%のプログラマブルPMIC
インターシルは、GPU、FPGA、システム電源向けに、高効率のプログラマブルパワーマネジメントIC(PMIC)「ISL91211」を発表した。自動ダイオードエミュレーションモードにより、1.1Vの出力電圧時に91%の効率を可能にした。
- スタンバイ電流0.3μAのパワーマネジメントIC
Maxim Integrated Products(マキシム インテグレーテッド プロダクツ)は、リチウムイオンバッテリー向けの小型パワーマネジメントIC「MAX77650」と「MAX77651」を発表した。スタンバイ電流を0.3μAに抑えている。
- FD-SOIベースの超低消費電力プロセッサ
NXPセミコンダクターズは、完全空乏型SOI技術(FD-SOI)をベースとして、超低消費電力を可能にする汎用アプリケーションプロセッサ「i.MX 7ULP」を発表した。サスペンド時の消費電力を従来のi.MX 7製品の17分の1となる15μW未満に低減した。
- ARM 64ビット16コアを採用したSoC
NXPセミコンダクターズは、ARM 64ビット16コアを採用したSoC(System on Chip)「LX2160A」を発表した。最大100Gビット/秒(bps)のイーサネットとPCI Express Gen4のインターコネクト規格をサポートする。
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