メディア

シンプルなのになぜ!?  短期間で故障を繰り返す電源【前編】Wired, Weird(2/2 ページ)

» 2020年02月04日 11時00分 公開
前のページへ 1|2       

またボトムアップし、容量がゼロに……

 不良が再発した現物を受領し、不良箇所を確認した。図3に示す。

図3 図3:不良再発後のコンデンサー実装部分 (クリックで拡大)

 図3の右側2個の電解コンデンサーの下部(赤枠)がまたボトムアップして、2つの電解コンデンサーの容量がゼロになっていた。背面の放熱板には5V整流用のSBDが実装されており5Vの出力電流が過電流になって放熱板が過熱していると思われた。放熱板の温度を下げるために右側に放熱板を追加した。図4に示す。

図4 図4:再修理後の基板 (クリックで拡大)

 電解コンデンサーはボトムアップした2200μF品よりさらに容量が大きい3300μF品に交換した。また、放熱板と電解コンデンサーの距離を確保するため電解コンデンサーを前方に傾斜させて実装した。これで対策は完璧だと思い自信を持って納品した。しかし、それから半年後にまたまた不具合が再発した――。

なぜ、不良が再発するのか?

 なぜ、こんなシンプルな電源で不良が再発するのだろうか――。修理品の保証期間は3カ月ではあるのだが、本質的な原因を究明したくなり無償で再々修理を行うことにした。

 なお、図4中央にある24V用の電解コンデンサーの不良は発生していない。ここに原因を見極める鍵がありそうだ。

 再々修理を行ってようやく真の原因を究明できたのだが、真の不良原因は基板の外側に隠れていた。その様子は次回、詳細に報告する。

⇒「Wired, Weird」連載バックナンバー一覧

次の記事を読む

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.