1700V SiC MOSFETのパワーソリューション:マイクロチップ 1700V SiC MOSFET
マイクロチップ・テクノロジーは、1700V SiC MOSFETのダイ、ディスクリートおよびパワーモジュールを発表した。同製品群をIGBTから置き換えることで、充電ステーションの小型化やバッテリー駆動車両の走行距離、動作時間の延長が可能になる。
マイクロチップ・テクノロジーは2021年7月、1700V SiC(炭化ケイ素)MOSFETのダイ、ディスクリートおよびパワーモジュールを発表した。既に受注を開始している。
「1700V SiC MOSFET」の製品イメージ
これらのSiC製品群をIGBTの代わりに用いることで、シンプルな2回路方式の採用が可能になるため、スイッチングの制約が軽減し、電源ユニットのサイズや重量を低減できる。これにより、システムコストを抑えつつ、充電ステーションの小型化やバッテリー駆動車両の走行距離、動作時間の延長が可能になる。
同社がR-UIS(クランプなしの反復誘導性スイッチング)テストを実施したところ、同製品群は10万回の長期パルス試験の後でも、閾値電圧が変化しなかった。また、優れたアバランシェ耐性と、パラメーターやゲート酸化膜の安定性も確認された。さらに、ボディーダイオードに劣化特性がなく、外付けのダイオードを必要としない。
短絡耐性はIGBTと同等で、電気的な過渡現象による悪影響を受けない。同製品群を用いた電源系は、0〜175℃の接合部温度に対して平たんなRDS(on)曲線を示した。温度依存性が高い他社のSiC製品と比較して、温度が変化した場合でも安定的に動作する。
- EV充電向けのSiC MOSFETモジュール
オン・セミコンダクターは、EV充電ステーション向けの1200VフルSiC MOSFET 2パックモジュール「NXH010P120MNF1」「NXH006P120MNF2」を発表した。プレーナー技術を活用し、18〜20Vの駆動電圧に対応する。
- 窒化アルミニウム採用のSiC MOSFET
インフィニオン テクノロジーズは、1200VファミリーのEasyDUAL CoolSiC MOSFETモジュールに、窒化アルミニウムセラミックを採用した「FF11MR12W1M1_B70」「FF6MR12W2M1_B70」を追加した。
- 産業機器向けデュアルSiC MOSFETモジュール
東芝デバイス&ストレージは、電圧定格3300V、電流定格800AのデュアルSiC MOSFETモジュール「MG800FXF2YMS3」を発表した。鉄道車両向け電力変換装置や再生可能エネルギー発電システムなどでの利用を見込む。
- 還流SiC-SBDを搭載したIGBT
インフィニオン テクノロジーズは、ブロッキング電圧が650Vの「CoolSiC Hybrid IGBT」ファミリーの販売を開始した。IGBTと併せて還流SiCショットキーバリアダイオード(SiC-SBD)を採用し、スイッチング損失を低減した。
- 1200V対応、自然冷却のパワーMOSFET
インフィニオン テクノロジーズは、SiCパワーMOSFETファミリー「CoolSiC MOSFET」に1200V用に最適化された新製品を追加した。自然空冷を可能にしたことで冷却ファンや関連設備を不要とし、損失も従来比で最大80%削減できる。
- 4端子構成パッケージのSiC-MOSFET
三菱電機は、「SiC-MOSFET 1200V-Nシリーズ TO-247-4パッケージ」6品種のサンプル提供を2020年11月に開始する。4端子パッケージ採用により、従来品と比較してスイッチング損失を約30%低減した。
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