マイクロチップ・テクノロジーは、1700V SiC MOSFETのダイ、ディスクリートおよびパワーモジュールを発表した。同製品群をIGBTから置き換えることで、充電ステーションの小型化やバッテリー駆動車両の走行距離、動作時間の延長が可能になる。
マイクロチップ・テクノロジーは2021年7月、1700V SiC(炭化ケイ素)MOSFETのダイ、ディスクリートおよびパワーモジュールを発表した。既に受注を開始している。
これらのSiC製品群をIGBTの代わりに用いることで、シンプルな2回路方式の採用が可能になるため、スイッチングの制約が軽減し、電源ユニットのサイズや重量を低減できる。これにより、システムコストを抑えつつ、充電ステーションの小型化やバッテリー駆動車両の走行距離、動作時間の延長が可能になる。
同社がR-UIS(クランプなしの反復誘導性スイッチング)テストを実施したところ、同製品群は10万回の長期パルス試験の後でも、閾値電圧が変化しなかった。また、優れたアバランシェ耐性と、パラメーターやゲート酸化膜の安定性も確認された。さらに、ボディーダイオードに劣化特性がなく、外付けのダイオードを必要としない。
短絡耐性はIGBTと同等で、電気的な過渡現象による悪影響を受けない。同製品群を用いた電源系は、0〜175℃の接合部温度に対して平たんなRDS(on)曲線を示した。温度依存性が高い他社のSiC製品と比較して、温度が変化した場合でも安定的に動作する。
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