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次世代EVや産業向け第3世代SiCパワーMOSFETSTマイクロ 第3世代SiCパワーMOSFET

STマイクロエレクトロニクスは、第3世代SiCパワーMOSFETを発表した。電力密度や電力効率、信頼性を必要とする車載用および産業用途に適する。

» 2022年01月21日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 STマイクロエレクトロニクスは2021年12月、第3世代SiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETを発表した。2021年内に量産レベルに達し、650V、750V、1200V耐圧製品を提供する予定だ。まずは650V耐圧の「SCT040H65G3AG」(5.00米ドル)と750V耐圧のベアダイ製品を提供する。

第3世代SiCパワーMOSFET 650V耐圧「SCT040H65G3AG」

双方向の充放電が可能な高速ダイオードを内蔵

 新製品は、第3世代SiCプラットフォームを採用したプレーナ型MOSFETで、優れたトランジスタ効率、電力密度、スイッチング性能を備える。シリコン製品に比べてダイサイズに対する定格電圧が高く、高速ダイオードを内蔵するため、V2X(Vehicle-to-Everything)に必要な双方向の充放電が可能だ。

 高いスイッチング周波数ながら、スイッチング損失と単位面積当たりのオン抵抗が低い。ジャンクション温度は最大200℃で、既存ICと互換性のあるゲートドライバを備える。

 パッケージオプションとして、ベアダイ、ディスクリートパワーパッケージ(STPAK、H2PAK-7L、HiP247-4L、HU3PAK)、パワーモジュール(ACEPACKファミリー)などを用意する。これらのパッケージには冷却タブなど特別な設計がなされており、電気自動車のベースプレートやヒートスプレッダーへの接続を容易にする。

 電力密度や電力効率、信頼性を必要とする車載および産業用途に適している。例えば車載用では、トラクションインバーターやオンボードチャージャー、DC-DCコンバーター、カーエアコン用コンプレッサーなどに対応。産業用では、モータードライブ、再生可能エネルギーシステム、通信やデータセンター用電源などでの利用を見込んでいる。

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