通信装置やデータ処理装置の間を光ファイバーで接続する場合は、光コネクターを介して機器に接続されている。光コネクターには用途に応じてさまざまなものがあるが、特によく使われるのはSCコネクターとFCコネクターである。
コネクターの種類を変換するプラグインコンバーターは販売されているので、光スペクトラムアナライザーとの接続に利用できる。ただし、プラグコンバーターによる挿入損失は発生するので注意が必要である。
光コネクターや光ケーブルを利用しないときは、コネクター端面に汚れが付かないようにキャップを取り付けておく。
光スペクトラムアナライザーへの光信号の接続はさまざまな光ファイバーで可能となっているが、光スペクトラムアナライザーの校正条件として示されている光ファイバーと異なるものを用いた場合は、波長分解能やレベル確度に誤差が生じる場合がある。このためカタログや取扱説明書に明記されている適用光ファイバーの種類を確認しておく必要がある。
回折格子を使った分光を行う場合は原理的に高次光の発生が生じる。例えば、波長が633nmのヘリウム-ネオン(He-Ne)レーザーからの光を回折格子によって分光した場合には、二次光として633nmの倍の波長の1266nmに存在しない光スペクトルが表示される場合がある。実際には存在しないスペクトルであるのでゴーストと呼ばれている。
一部の光スペクトラムアナライザーでは、高次光を抑制するための高次回折光カットフィルターが組み込まれている。下図は高次回折光カットフィルターが使われていない時に現れるゴーストの事例である。
光コネクターの端面に汚れやキズがあると正しい測定ができなくなる。レーザーパワーが大きな場合は発熱が生じることもある。コネクター端面は専用のカメラで汚れやキズのないことを確認する必要があり、汚れは光ファイバーメーカーが指定した方法で取り除く必要がある。
光スペクトラムアナライザーに組み込まれている校正用光源の光コネクターに汚れがある場合は、取扱い説明書に示された方法で清掃を行う。
光スペクトラムアナライザーの許容入力パワーを超える光を入力すると、受光素子を破損する危険がある。強い光のスペクトルを測る際には、光アッテネーターを介して光スペクトラムアナライザーに入力する。
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